ホークスタウンへ
中洲ーー知る人ぞ知る福岡の夜の街。
そんな街に光圀はいた。
今日はソープに行っていた。
電車とバスを乗り継いで自宅に帰った光圀は悲しかった。
「只今」
返事が帰ってくることはない。
「結婚か。」
何も身に付けていない自身の左手を見ながら光圀はベッドに向かい、消灯をして眠った。
次の日。光圀はヤフオク!ドームの清掃員のアルバイトとして働いていた。
亡き母は自分に保険をかけていた。
その保険金、光圀が母の為に渡していたお金に手をつけていなかった為に、光圀の下には母の遺産が舞い込んだが、働かざるもの食うべからずと思い、現在に至っている。
お昼休み、光圀は外周を散歩していた。
じっとしているのは苦手なのだ。
「急がないと」
一人の少女は急いでいて、周りが見えていなかった。
「あっ、ごめんなさい。」
「いえ。こちらこそ」
光圀と少女はぶつかったが、少女はホークスタウンにむかって走っていった。
そこに鍵が落ちているのに光圀は気が付いたが、落し主であろう少女はかなり向こうにいた。
光圀は、ホークスタウンに入ったが、警備員さんに呼び止められた。
「どうしました?」
「ドームの清掃員なのですが、先程女性とぶつかったときに鍵を落として行かれまして、その女性、少女とも取れる人物が落としたものなので、ここに来ました。」
「HKTの子のかな?私が探して、渡しておくよ。」
「お願いします。僕はこれで」
「君、名前は?」
「僕は昼休みにじっとしていられない清掃員のアルバイトですよ。」
そう言って光圀は、ドームに戻っていった。
光圀がHKTのマネージャーとなるのはまだ先の話。