スタートライン
芽瑠との逸話
眠れない夜はホットミルクと思い、芽瑠は一階に向かった。

光圀は眠れないといえば、怒りはしないと思い、台所に向かう途中だった。

一階の光圀の部屋から女性の声が聞こえてきた。

芽瑠は聞いてはいけない筈なのに足が動かなかった。

それどころか、耳をすましてしまった。

「パパ」

「ママ」

十五年生きてきた少女にも部屋の中で何が行われているのかわかった。

光圀と莉乃がエッチ、セックスをしているのだと。

光圀は芽瑠には手を出してこない。

芽瑠のいる日は、莉乃、千尋、遥がいることが多く、彼女達が光圀の相手をしている。

芽瑠一人の日がないのだから仕方ないが。

芽瑠は二階に戻って、ベッドに潜って考えだした。

(大塚さんは、やっぱりさしこちゃんが好き。あれ?キャップにもはるっぴさんにも、全員に同じような態度取っているような?私にもチャンスあるのかな?)

考えている内に芽瑠の意識は飛んだ。

「おーい。芽瑠、朝だぞ。」

「へ?パ、パパ。おはよう」

「芽瑠。昨日何かあったのか?お前が寝坊するなんて珍しい。」

「あー、うん。ちょっと考え事している内に寝ちゃったみたい。」

「早くしないと遅刻するぞ。」

(よーし。私も大塚さんの彼女候補になってやる!)

他のメンバーへの対抗意識が芽瑠の中で芽生えた。


■筆者メッセージ
パジャマドライブの歌詞にある合図がアナログなこと(部屋のガラス窓に小石を当てる)が引っ掛かりながら、この話を書きました。
(携帯電話で連絡をとれよ)
答えとしては女の子が携帯電話を持たせてもらえない親に育てられたが考えられるけどね。
光圀 ( 2017/01/14(土) 10:29 )