作戦会議
メンバーは光圀を観察しながら、発見したことを逐一報告した。
料理上手、スケジュール管理がきちんとされている、メンバーの体調変化を気にする。
少しエッチで、性行為をしなくてはいけないなど様々だった。
「さっしー。あの人をどうする気?」
「考えたんだけど、うちのマネージャーになってもらおうと思っている。」
「あの人をうちのマネージャーに?」
「大丈夫なの?」
「みんな、あの人とエッチさせられたんでしょ?それをネタに脅せばいいのよ。」
「あの人のデータがまだ少ないよ。」
「それに誰に言えば良いの?」
「みんな私のこと忘れてない?私、劇場支配人でもあるのよ。尾崎さんにも報告するけど、みんなで頼もうよ。あの人を犯罪者にしたくないでしょ?」
「た、確かに。」
「私に勉強教えてくれたし」
「ハンカチ貸してくれたし」
「忘れ物確認してくれたし」
「演技の練習付き合ってくれたし」
「ご飯美味しいし」
「よし、決まりね。」
こうして光圀をマネージャーにする作戦が始まった。
「尾崎さん。ちょっと良いですか?」
「どうかしたのか?別に問題ないけど」
「実は、マネージャーにしたい人がいるんです。」
尾崎さんには失業中の友人の兄として光圀を紹介した。
性行為をしたことや一緒に住んでいるといったネガティブなことは伏せておいた。
「なるほどな。資料が足りないようだな。探偵を雇って調べてもらいなさい。お前達がこんな必死になる人なら俺は反対しない。指原、この件は君に任せる。頑張りな。」
「ありがとうございます。」
尾崎さんに委任され、莉乃は光圀の側で光圀を観察することにした。
光圀は、家事を終わらせて、寝室にやってきた。
「パパ、お疲れ様。」
「起きてたのか?寝てて良かったのに。」
「酒、飲むか?莉乃」
「うん。」
光圀は、二つのコップにチューハイを注ぎ入れた。
「今日のお酒はスクリュードライバー、酒言葉であなたに心を奪われただ。」
「えっ?」
光圀の瞳は、まっすぐ莉乃を捕らえていた。
「乾杯。莉乃」
「乾杯」
二人の夜は始まったばかり。