学校
○○は朝のホームルームギリギリに教室に到着した。
理由は簡単で、真夏が○○に付いてきたからだ。
地上の様々なものが珍しいのか、何度も何度も同じような質問をした。
「ねぇ、○○。あれは何?」
スマートフォンのメモ帳機能で文字を打ち、そこで返答をするしかない。
そうしないと独り言を永遠と喋り続ける痛い男子高校生になるからだ。
「○○。頑張ってー。」
体育の時間、真夏の声援が耳に心地よく、○○は大活躍した。
○○だけなら問題はないが、他の男子の着替えを見るわけにはいかないので、真夏は更衣室の外で待っていた。
そのとき、妖精界から使いが来て、衝撃の一言を言われた。
「今日が終わるまで、十二時までにカップルを成立させられなければ、貴方は消滅します。」
第二のショックが真夏を襲い、そんなとき、○○が着替えを終えてやってきた。
「○○。恋している相手に告白して!私はカップルを成立させないと明日には消える。お願い。」
(分かった。それで俺が玉砕したら、どうするんだ?)
「そのときは、消えるまで、一緒にいてくれる?」
「あぁ。」
昼休み、○○と真夏は対象の人物、白石麻衣先輩のいる屋上にあった。
「白石先輩。お時間よろしいでしょうか?」
「どうしたの?後輩君。」
「先輩のことが好きです。付き合ってください。」
「ごめんなさい。私は隣校、○△高校に彼氏がいるの。」
「失礼しました。」
屋上から出ると、○○は崩れ落ちた。
「ごめんな。真夏。」
「仕方ないよ。その代わり私の最期に付き合ってね。」
「その前に昼の授業だ。」
気持ちを切り替えた○○は教室に向かって、走りだした。