クリスマス
大塚家の愛娘、千尋は毎日のように気になることを両親に聞いてくる。
「父上。クリスマスって何ですか?」
「昔の偉い外国の人、キリスト様の誕生日、12月25日のことなんだよ。」
「サンタさんって誰ですか?」
「外国の白いお髭のおじいさんのことだよ。良い子のところにはプレゼントを運んで来るんだよ。後、この人は変装の名人なんだ。聞きたいことは以上かな?」
「はい。」
次の日、今度は光圀が千尋に質問をした。
「千尋。サンタさんに何を貰う?」
「ジンベエザメ。」
「この間海遊館で見たあの魚?」
「はい。」
「まず、大きな水槽が要りそうだけど、なんとかしましょう。姫君。」
◎
そして、やってきた12月25日の朝。
大塚家には、ジンベエザメのぬいぐるみがやってきた。
ただ、ラッピングの中に手紙が入っていて、こう書かれていた。
「ジンベエザメをリクエストされましたが、私は金づち、泳げませんので、ぬいぐるみでお許しください。サンタさんより」
プレゼントと謝罪の手紙で大喜びする娘に光圀は目を細めた。
ただ、この一週間でメンバーの前でサンタの格好をして、英語を喋り、苦労していた光圀サンタという存在がいたのは別の話。