初めての相手 - 大人になって
都会進出
俺は学校の成績からしても、進学する予定でいたはずなのに、就職という道を取った。

理由は単純で、お人好しな由紀が借金を背負って、その影響で、音信不通になったと思って、俺は由紀の力になりたいのだ。

九州支社で手腕を振るい、東京の会社へと俺は転勤することができた。

休日は俺に似合わない渋谷、原宿に足を進めたが、由紀らしい人物を見つけることは出来なかった。

この大都会東京で人を探すこと自体が無謀な気がするが、俺は諦めず、由紀を三年間、探し続けた。



「パパ。ママと待っているよ。」

俺の目の前に髪の毛をツインテールにした女の子が現れた。

「待ってくれ。」

俺はその子を追った。

「パパ。こっち、こっち。」

女の子を追って、何駅分歩かされたのだろう。

その子は一つの建物へ入って光の粒となって、俺の目の前から消えた。

その場所は所謂、ネオン街で光の粒は一つの店舗を指していた。



俺は日曜日に由紀を探しまわった疲労から玄関で寝ていたのだ。

俺はスマートフォンを操作し、夢に出てきた店舗の名前をグーグルで検索してみた。

店舗は存在し、店舗の情報サイトへと進み、コンパニオンの女性を見ていく中で俺の目は一人の女性を捉えた。

その女性の名前は小雪。

だが、その顔はずっと探していた女性、由紀そのものだった。

平日は出勤になっていた為、金曜日を小雪さんとのファーストコンタクトの日に決めた。

■筆者メッセージ
ヒロインがゆきりんの時点でキャバ嬢にしました。
女の子は渡り廊下走り隊の頃のまゆゆをイメージしてください。
光圀 ( 2019/05/31(金) 12:00 )