プレゼント
2月22日は正輝の設定上の誕生日で、彩は正輝の誕生日プレゼントを買うという目的と息抜きという名目で、デートに誘導することに成功した。
「正輝。悪いな。休みの日に。」
「早くしないと食事時間に間に合わへんで。」
二人は例のごとく、海遊館へやってきたのだ。
ここでいう食事時間とはジンベエザメの食事時間のことである。
「はー。やっぱりジンベエザメは可愛いな。」
(嬉しそうにして。女の子に興味持てや。・・やっぱ、あかん。)
正輝を横目で見ながら、彩は複雑な感情を抱いていた。
「アヤ。ゆっくり移動しよか。」
「あ、おぅ。」
ジンベエザメの食事時間はいつの間にか終わっていた。
◎
二人は出口にあるショップにやってきた。
「さて、正輝君は何が御所望で?」
「ジンベエザメグッズ。何がえぇかな?アヤが選んでくれたら僕はなんでもえぇで。」
「ネクタイでえぇか?」
「えぇよ!」
正輝のプレゼントはネクタイになった。
それ以前に正輝の誕生日を知っている人間は数少ない。
「彩。ありがとうな。このネクタイ大事にするな。」
「正輝。ちょっと頼まれてほしいんやけど。」
「何?」
「部屋の電球が切れかけててな。換えてくれへん?」
「別に構わないけど。」
◎
「ほい。出来たで。」
「ありがとうな。正輝。」
「ほな。帰るわな。」
「なぁ、正輝。私と・・セックスフレンドになってくれへん?」
「彩。何、言っているか、解っている?」
「解っているし、避妊さえしたら問題あれへん。それにこんなこと正輝にしか言われへんわ。」
「後悔するなや。」
正輝は彩をベッドへ移動させ、久しぶりに肌を重ねた。