会議
AKBグループには劇場支配人達による会議が存在していた。
「尾崎君。大塚君の調子はどうかな?」
「はい。健康状態に問題はなく、無理をさせないよう、全スタッフで負担の分散に努めています。」
退院後の光圀は莉乃と共同生活を送っているのだ。
入院前のように恋煩いによる悪循環はなくなった。
しかし、その後の総支配人のしのぶさんからの言葉で会議室の空気が一変する。
「メンバーの恋愛禁止は守られているのでしょうか?」
博多の尾崎支配人と難波の金子支配人はそれぞれ、大塚光圀と指原莉乃、加藤正輝と山本彩のことが頭によぎったが、無難な答えしか言えなかった。
「メンバーのプライベートまでは把握できていませんが、目立った変化は今のところありません。」
そう尾崎支配人が答え、金子支配人も
「メンバーに変化は見られませんが、スタッフ一丸となり、メンバーの行動に目を光らせています。」
そう答えるよりなかった。
〇
会議終わり、尾崎支配人と金子支配人は密会していた。
「金子さん。おそらくお宅もだと思いますが、メンバーとスタッフが恋仲ということはありませんか?」
「薄々そうだと思いましたが、大塚さんと兒玉、宮脇、指原あたりが・・。」
「えぇ。しかし、あいつが博多を、メンバーを色んな意味で変えたのも事実で、どうしたものか。」
「家の加藤も似たようなものです。・・大塚さんの得意なことは何ですか?」
「勉強と料理です。中学生メンバーに勉強を教えていますから。」
「尾崎さん。大塚さんを一度、難波に預けてみませんか?」
「と言いますと?」
「NMBは馬鹿なメンバーが多く、ペーパーテストをさせて、最下位のメンバーをブービー、ドベニにしてくれれば良い。」
「確かに講義中のあいつ、良い顔しているからな。でも、考えさせてください。ところで、加藤さんってどんな人なんですか?」
「まぁ、選抜メンバーの一人がお熱な男ってところです。」
〇
博多に戻った尾崎支配人の下に莉乃が訪ねてきていた。
「尾崎さん。これを」
その掌中には封筒があった。
尾崎支配人は封筒の中身を読んだ。
そこには莉乃に好きな人がいて、その人物と結婚したいこと、劇場支配人を兼任している自身の後釜に光圀を推薦する旨が書かれていた。