今夜の調査
莉乃は今日、今夜くらべてみました。通称、今くらの収録である。
今回のテーマは『お帰り、指原!お前の結婚生活どうなん?』である。
莉乃の誕生からHKT移籍までは普通に語られた。
「旦那さんとどう知り合ったん?」
「まぁ、彼は一スタッフで、一度呼ばれて、告白されまして・・・」
事情を知らない人に話すことの方が少ない為に、莉乃は内心冷や汗をかきながら、話すことになる。
「そりゃもちろん。断ったやろ?」
「冗談半分で、倒れる位頑張ったら考えてあげるって言ったら、本当に倒れて」
「指原。お前の旦那さんって確か、クイズ番組にときどき出ているよな?」
「はい。」
「相当、惚れられていたな。」
「頭ええ人やろうから考え方がたぶんカチカチなんやろな?」
思い当たる節がある莉乃も笑ってしまった。
「倒れたってことは入院してから、二人に変化あったやろ?」
「時間があるときは面会に行って、退院後に彼の家に私が押しかけました。」
「それ、お前世間でいう同棲やん?」
「彼の家は一軒家で御両親もいなかったので、あの日までは別の部屋でした。」
「それってどの日やねん?ブルゾンシステムで答えなさい。」
ブルゾンちえみの前振りの曲が流れ、莉乃は口を開く。
「捻挫事件。」
「やっぱ、あれかい。」
「あのとき、支配人の尾崎さんも彼に出張を命じて、私と彼を一度離してみたら、今に至りました。」
「こちらが指原の現在です。」
ボードをめくると、莉乃と光圀、千尋の三人の写真が出てきた。
「子供は女の子。名前は?」
「千尋です。」
「理由は?」
「HKTの卒業生。穴井千尋ちゃんも彼のこと好きだったらしいんですけど、彼は私を見ていて、私を好きな彼が好きって私と彼に別々に言ってきて、娘が出来たら、千尋にしてください。とも・・・。」
「さて、皆様お待ちかねの・・・。特別ゲスト登場!」
セットのリフト(ベルトコンベア)に乗ってきたのはいうまでもなく、光圀である。
「指原の旦那。大塚光圀さんです。」
「よろしくお願いします。」
「大塚さん。俺らに言いたいことがあるって聞きましたけど・・・。」
「徳井さん。後藤さん。この場には居ませんが、シェリーさん。番組のスタッフの皆様、この番組の視聴者の皆様。家の莉乃がお世話になってます。」
例のごとく、律儀に光圀は頭を下げた。
「料理はどっちがしているんですか?」
「莉乃がするときもあれば僕がするときも、押しかけ同居時代に僕が莉乃に教えたので。スタッフさん。お願いします。」
スタッフさんが持ってきたのは、通称筑前煮である。
「僕が福岡で作って持ってきました。」
「パパの筑前煮、料理は美味しいですよ。」
「いただきます。・・・旨い!」
「ホンマに九州男児なん!?」
「はい。」
その後、光圀の莉乃への感謝の手紙を読むなど番組は盛り上がったのだった。