ダークホース
フジテレビのとあるスタジオに莉乃はいた。
光圀と結婚した為に、大塚莉乃である彼女は今の時間は指原莉乃に戻っている。
ドアが開いて莉乃の目に飛び込んできたのは、ナインティナインの二人と佐野アナウンサーと数名のスタッフの姿だった。
そう、通称めちゃイケのテスト企画に呼ばれたのだ。
「指原、否。ちゃう。旦那さんの名字なんやっけ?」
「タレントとしては指原で大丈夫です。けど、ここって?」
「テスト(企画)や。」
「あぁ、やっぱり。」
「いつの間にママになったの?」
「この間の夏、娘が生まれて産休明けです。」
「はい。おめでとうございます。」
参加者が集いテストをやった。
福岡で光圀が同じテストを受けているなど、莉乃は知らない。
ついでに言うと、千尋はお隣の宮田さんに見てもらっている。
そして、結果発表、馬鹿解答を弄る時間がやってきた。
国語の八十点以上は菊川怜さんだった。
しかし、岡村隆史は口を開いた。
「皆さんに謝らないといけないことがあります。実はこの方にもテストを受けてもらいました。」
光圀のテスト中の写真のフリップが出て、カメラは当然莉乃を写した。
「この方が誰か、指原さん、言うて。」
「私の、旦那さんです。」
「はい。大塚光圀さん。指原さんの旦那さんで、HKTの劇場支配人さんです。」
「この方、百一点。」
スタジオがざわついた。
プロデューサーさん達が光圀の学歴に合わせてしまった結果である。
文字通りボーナス問題が出たのである。
☆魚偏の漢字を書け(一つにつき、一点)
『鮨、鰆、鱸、鰈、鮭、鮪、鯨、鰻、鰹、鱈、鯰、鱒、鰊、鮎、鮫、鯛、鯉、鯵、鯖、鮒、鰐、鮃、鱗、鰯、鰤』
「この人、旦那さんはどういう人なん?」
「がり勉タイプでHKTの中学生メンバーに勉強を教えて、いる、家庭教師みたいな、ことしてます。教わったメンバーに至っては先生って呼ぶ子もいます。」
「なんでこんな人がお前選んだんや?」
「先生、次に。」
お互いが好きだったのが大前提だが、深く掘りさげられるわけにはいかない為、莉乃は誤魔化した。
そして、なんだかんだでテストは全て終了。
スタジオメンバーの中なら菊川怜さんが一位、その上に光圀がいるのは言うまでもない。
そして、この結果から光圀はクイズ番組に呼ばれることになり、芸能人になることになった。