夫婦の章A
水族館デート
矢吹奈子、田中美久の行動から、光圀は怒らせると恐い男性ということが判明した為、メンバーはより欲求不満になるかと思ったが、別のことで昇華できるように、光圀は動いた。

「大塚さん。」

「宮脇か。どうした?」

「大塚さんって、水族館が好きって本当ですか?」

「好きな方だな。」

「ジンベイザメが好きって・・・。」

「正しくはジンベエザメな。鹿児島の水族館にもいるだろ?日本のジンベエザメを飼育している水族館は四ヶ所。沖縄の美ら海、鹿児島のいお、石川県ののとじま、大阪の海遊館だ。」

「今日が何の日か知っていますか?」

「この福岡の水族館、マリンワールドのリニューアルか?」

「たまにはさっしー、奥さんに感謝したらどうですか?」

「そんなもん、毎日しているよ。」



咲良の助言もあり、光圀は莉乃と共にマリンワールド海の中道へとやってきた。

「ふー。着いた。」

「道路交通法でシートベルトの脱着が大変よ。」

妊婦とはいえ、芸能人である莉乃への安全面を考えると、車での移動になるのは必然的である。

「莉乃。アイス食べるか?」

「あ、うん。」

光圀が売店に向かい、莉乃が深呼吸をして、潮風を感じたそのとき、お風呂上がり位しか動くことがない娘、千尋が莉乃の胎内で踊っているかのように活発に動き出した。

「お待たせ。あまおうとバニラミックス。どうした?莉乃。」

「光圀。千尋が今、活発に動いているの。」

「良かった。普段はうんともすんとも言わないもんな。」

夫婦は愛娘の活発な動きに胸を撫で下ろした。

その後、二人は受付で記念品を貰い、千尋用にと夫婦ペンギン?(青とピンクのペンギンが抱き合ったぬいぐるみ)を購入し、レストランレイリーで肉うどんを食べる等しつつ、その手はほとんど繋がれていた。

手を顔の横で広げたアザラシのポーズをした記念写真を二人は撮ったが、数年後に増えた家族と同じような写真を撮るのは別の話。

■筆者メッセージ
レイリーではイルカ観賞ができます。
行ったのはリニューアルした二日目。
光圀 ( 2017/12/20(水) 04:32 )