夫婦の章
懐妊
大塚家の朝、莉乃が先に起きて、光圀の寝顔を堪能し、光圀が目覚まし時計で起きる。

いつものように朝がきて、いつもの朝である。

「おはよう、莉乃。シャワー浴びておいで。」

「はーい。」

ゆっくりと莉乃は浴室へ向かい、光圀が朝食を作り出す。

服を脱ぎながら莉乃は自身の身体に違和感を感じた。

莉乃の生理周期的に今日は生理の日なのだ。

しかし、出血が起こっていない。

光圀とは肉体関係もあり、避妊をしなかったときがある。

妊娠の可能性は十分にある。

光圀と結ばれるのは良しとしても、世間が何かを言い出すのではないかという不安が莉乃によぎる。

「莉乃。遅かったな。どうかしたのか?」

「光圀。・・・落ち着いて聞いて。出来たかもしれない。」

「生理周期はたまに遅れる人もいるっていうけど、可能性はあるか。莉乃。お前の気持ちを聞かせてくれないか?俺は世界を敵に回してもお前と子供達を愛したい。」

「ありがとう。光圀。」

「検査薬を買ってきて、調べて、莉乃のご両親に挨拶して、こっちは墓参りで、尾崎さん、記者会見もしないといけないのか?」

「気が早いでしょ。」

「莉乃。穴井からの伝言で女の子だったら、千尋って名前にするけど、良い?」

「それ、あの子から私も言われたの。」

「とりあえず、朝ごはんにしよう。」

「うん。」

『いただきまーす。』

結果は、陽性反応、だが、二人にとってはこれからが勝負どころである。

■筆者メッセージ
新しい話を作ろうかと思いましたが、若干言葉を変えて上げていきます。
光圀 ( 2017/09/29(金) 20:21 )