夫婦の章
愛してる
莉乃は光圀によってベッドに寝かされ、ボタンを外され、一枚、また一枚脱がされ、生まれたままの姿にさせられた。

腕で身体を隠しながら、莉乃は頬を朱に染め、眉を下げ、抗議の声を上げる。

「私だけ、脱がされているの嫌だ。」

それを聞いた光圀は、口角を吊り上げ、身に付けていた服を素早く脱ぎ、莉乃の唇を奪った。

莉乃の唇の中に光圀は自身の舌を入れこみながら、彼女の右手と自分の左手を絡めあった。

「莉乃。行くよ。」

「うん。」

たかかが一週間、されど一週間二人は、性欲を我慢してきた。

光圀と莉乃が重なり合った瞬間、光圀は久しぶりの感覚から射精してしまった。

「え?もう、出たの?」

「一発で終わると思っているのか?」

男は狼とはよく言ったものだが、今の光圀は完全な肉食獣だ。

「今日がどういう日なのか、知っているよ。」

口を動かしながら、光圀は腰を動かす。

光圀の言葉の意味は、今日は莉乃の生理周期からする排卵日、強姦等を考えると危険日と言われることもある日だ。

光圀は、記憶力が良い為、昔、性に関する講義で聞いた専門家の先生の言葉『女性の排卵日に男性は精子を溜めて行為をすれば、妊娠の可能性が高まる』を実行に移したのだ。

「光圀。」

「莉乃。」

お互いの名前を呼び、二人はゴールを目指す。

「出して。思いっきり。」

「受け取って。莉乃。」

射精の瞬間、光圀は何度目かの莉乃の唇を奪った。

後片付けをして、シャワーを浴びながら、莉乃はお腹をさすっていた。

「できているかな?できていると良いな。」

「気が早いよ。・・・そういえば、やっぱりご両親に挨拶しに行くべきか?」

「反対されない為にも、できている方が良いな。」

二人は子供のいる未来を想像して目を細めた。

■筆者メッセージ
文中の性に関する講義は、確か課外授業でしかも映像だった気がします。
オスの精子とメスの卵子で子を成すのは、生物学的に覆らないことだから、仕方がない。
光圀 ( 2017/08/29(火) 08:25 )