05
稲妻が四肢を駆け巡った。夢にまで見た女性との初性交。ただでさえそれが叶ったというのに、それがあなたとだなんて。体の奥底から震えるような歓喜の波が押し寄せてくる。
口内同様、まだ温かいあなたの中に入った私の男性器がますます固さを帯びていくのが分かる。全身の血液がそこに集結しているかのようで、頭がクラクラとしてきたが、腰はまるで別の生き物のように動き出した。
「はあ、はあ、ああっ」
自分の意志ではないが、勝手に動き出した腰は快楽を運んできてくれた。一人でするよりもはるかに気持ちのいいそれは、すぐに絶頂を訪れさせた。
「ああっ」
ただでさえ初めてだというのに、避妊具を付けていない私には我慢など出来るはずがなかった。スペルマをあなたの中に注ぐ。
どれほどの時間だったのか分からないが、およそ女性が満足するような時間ではなかったはずだ。だが早すぎる絶頂にも関わらず、私の男性器は萎えるどころか、変わらぬ硬度を保っている。
一度引き抜いた男性器を再びあなたの中へと挿入させる。一度挿れてしまえば、あとは簡単だった。抵抗もなく、スルリと男性器が挿入される。
「生田さん。気持ちいいです。あの、生田さんは気持ちいいですか?」
あなたから返事は絶対にないと分かっていながらも、私はあなたに向かって話しかけている。それはなぜなのか自分でも分からない。ただ黙って動物のように性交をしているのが嫌なこともあるが、私はもしかしたらあなたとお話をしたかったのかもしれない。
私はずっとあなたを見て来た。大きくなっていくあなた。美しくなっていくあなたをずっと見て来た。やがてその愛は一線を越えた。
「生田さん。生田さん。……絵梨花! 絵梨花!」
あなたの名を叫びながら私はあなたをしゃにむに求め続ける。たとえあなたが振り向くことがないと分かっていながらも、だ。
私に明日など存在はしない。あなたと居れればそれでいいのだ。未来も何もいらない。ただあなたさえ居てくれれば……。私の頬を滴が一滴流れ伝った。