第六章
04
 乾いた女性器にそっと顔を近づける。鼻に意識を集中させると、わずかばかりのアンモニア臭がするが、不快には感じない。まるで犬のように鼻をヒクヒクとさせ、においを堪能する。それだけで屹立した男性器が痛んだ。まるでアピールをしているかのように。
 乾いた唇を一舐めすると、あなたの性器に口付けをした。唇とはまた違う感触。そこから舌を出し、筋に沿って舐める。
 
 ああっ。
 
 後頭部がジンジンと痛む。初めて女性器を舐めたが、その味は分からなかった。まだ濡れていないせいだろうか? 果たして死体となった体が濡れるのか分からないが、私はしばしあなたの性器を舐めるのに没頭した。
  
  
  
 犬のように舐めていた舌が疲れを見せる頃、私は舐めるのを止めた。ただでさえ緊張で乾いた口内。それでも唾液は出てくれ、なんとか舐めることは出来たが、あなたが濡れることはなかった。
 いや、もしかしたら濡れているのかもしれない。私の唾液でベチョベチョになってしまっているため分からないが、可能性はゼロではないと信じたい。
 
「生田さん。あの、挿れてもいいですか?」
 
 もはや私の男性器は固く隆起して、痛いほどであった。待ち焦がれた瞬間は、もうじき訪れる。私はあなたの太ももを持ち上げると、女性器に私の男性器を近づけた。
 チョンッとあなたの女性器に触れた。そうすると、まだ挿れていないのにも関わらず、果ててしまいそうだ。
 いざ挿入をしようとするのだが、上手く入らない。だが筋に擦り付けるようにしていると、ようやく先端が入った。
 
 ああっ、ついにこの瞬間が来てしまった。
 
 何度この日を夢見たことだろう。何度この行為を想像したことだろう。数えきれぬほどの妄想に、何度諦めたことだろうか。それが今叶おうとしている。先端の入った男性器を見つめると、感慨深いものを感じた。遅咲きの花が今開こうとしているかのようだ。
 そして私は体重をグッとかけ、あなたの奥深くまで挿入させた。


( 2013/11/25(月) 21:25 )