第8章「同類」
04
 触れた瞬間、電流が走った。これまでとは違う。ぷくっとした感触の中で、身体の奥底が熱を帯びるのが分かった。

 短い嘆息を吐くと、私は思い切っててちの唇をかき分けるようにしてペニスを入れた。奥へと突っ込むようにして挿入すると、彼女は未見に皺を寄せた。

 彼女の口内はとても温かかった。ペニスだけがお湯に浸かっているかのようだ。口からは自然と声が漏れた。



「んっ……」



 漏れた鼻息ですら心地いい。熱くなった愚息を冷ますようなてちの鼻息に、思わず腰が動いた。彼女の唇に似つかわしくもない硬く勃起したペニスが前後に往復した。



「ああっ、てち……気持ちいいよ……」



 下半身だけは生暖かい海水に浸かっているかのようだ。私よりも年下の子。男性が若い女の子を好む気持ちが分かったような気がする。

 深い眠りに落ちた彼女は、まるで起きる気配がない。私はもはや身体、いや本能を止めることが出来なかった。

 ペニスを彼女の口から抜くと、おもむろに彼女の女性器を露出させた。中学生を過ぎた彼女の女性器はすっかりと毛が生え、大人の私と遜色がないように見えた。



「ごめんね、ごめん」



 もはや私は性欲のモンスターと化してしまったようだ。口では謝りながらも、身体はまるで別の生き物のように自分の意志とは反した動きだった。

 まだ濡れているには程遠い女性器に思い切りペニスを突っ込んだ。挿入したというよりも、突っ込んだという方が正解だ。

 寝ている彼女も眉間に皺を寄せて、苦悶の声を上げた。それでも目を開けなかった。起きていることは薄々分かっていた。それでも身体を操られてしまったかのように、私は自分の行動を止められなかった。



 童貞の喪失はあっという間だった。穴に向かってペニスを突っ込むだけだった。感慨も何もない。ただ己の性欲に振り回されただけ。

 私は一心不乱に腰を振った。知識ではない。ただ身体が知っていたのだ。こうすれば一番気持ちがいいのだと――。



 



 次第にてちから明らかに艶の帯びた声が聞こえ始めた。感じているのだ。こんなまだ年相応もいかない子供のくせに。

 私はただ一心不乱に腰を振り続けた。そうすると彼女の小ぶりな胸が揺れた。私は無意識のうちにその揺れる胸を両手に掴んだ。柔らかな双丘。先端だけがピンと張っている。



「ああ……もうイキそう……」



 互いの身体がじんわりと汗がにじみ始めた頃。私の中で射精感が押し寄せてきた。決して抗えないものだとは、すぐに分かった。



「だ、ダメ、中は」



 てちからようやく言葉らしい言葉が聞こえた。が、私にはそれが無理なお願いにしか聞こえなかった。

 これだけ気持ちのいいものなのに、どうして抜かなければいけないの? 私は闇雲に腰を振り続けた。

 やがて射精感は男性器を突き破りそうなところまで押し寄せてきた。私はてちの言葉を無視するかのように中へと放出した。



「あああああ……」



 てちからは、普段の凛とした彼女らしくない声が漏れ出ただけだった。

( 2018/09/18(火) 04:18 )