08
股間に生暖かい感触がし、目を覚ました。“勃起をしている”のはもはや日常茶飯事なのだが、生暖かい感触に嫌な予感がした。この感触を私は知っているのだ。
「あっ、起きちゃいましたか」
ベッド脇のライトが点いているおかげで、彼女のしている行為が分かった。やはりというか、案の定フェラチオをされているのだ。
「なんで勝手に舐めてるの」
もはや男性器が生えていることをなぜ知っているのか問い詰めることすら面倒だった。せっかく寝ていたのに。まだ眠気が頭の奥に残っている状態では、私の声は低かった。
「そんなに怒らないでくださいよ。菅井さんの立派です」
男性ならいざ知らず、女性である私に立派ですなんて言われても嬉しいはずがない。芽依ちゃんはそんな私のことを知ってか知らずか、おかまいなしに男性器を舐め続けている。
「別に怒ってないわよ。ただ、なんで勝手に舐めてるのって訊いてるだけ」
本人は気持ちいいでしょといわんばかりに舐めている様子だが、お世辞にも上手いとはいえなかった。ただアイスキャンディーを舐めるようにペロペロしていて、気持ちいいというよりはくすぐったさを覚える。
「そこにおちんちんがあったから、です」
「アルピニストじゃあるまいし」
私はお手上げを表すように、身体を伸ばした。浮き上がった腰のせいで男性器が芽依ちゃんの口の奥へと突っ込んでしまったようで、彼女のむせる声がした。
「もう。いきなり奥へ入れないでくださいよ」
「伸びをしてだけだって。別に入れるつもりはなかったわ」
「てか止めないんですね。おちんちん勝手に舐められているのに。もしかして溜まってるから?」
「どうせ止めたって無駄でしょ。優佳ちゃんから聞いたのよね。私のこと」
「正解です」
チュっと先端の皮にキスをされた。
眠気が次第に霧のように晴れていくと、バラバラだったパーツが組みあがっていくのを覚えた。
「優佳ちゃんにエッチなこと教えているのって、あなたでしょ」
「あっ、それも正解です。優佳、真面目なフリして一番エッチなことに興味あるんですもん。てか菅井さんって大きくなっても剥けないんですね。お子様ちんちんだ」
皮を引っ張られるのを見ると、ムッとした。
「剥けるわよ」
ねるちゃんに剥かれて以降、私はお風呂場で剥くようにしてきた。まだすぐに皮が戻ってきてしまうが、手で簡単に剥けるようになっていた。
私は首だけを起こし、男性器の皮を剥いた。ピンク色の亀頭には白いカスは見当たらない。