04
外装もそうであったが、内装も思ったよりもひどいものではなかった。一部剥がれかかった壁。割れた窓ガラス。しかしゴキブリの類は見かけられなかった。
電気が点かないせいで辺りは薄暗かったが、全く見えないわけではなかった。足元に注意しながら進むと、ふいに抱きつかれた。長い髪の毛が鼻先に当たる。相手は確認しなくてもわかった。
「ふふっ、何だか不倫をしている人の気持ち、わかるなぁ」
下から顔を覗き込まれ、圭介は困ったように視線を逸らした。やわやわと股間を揉まれている。
「こういうところでするの、妄想の中でもしてたんですよ」
ジッパーが下ろされる。触れられて反応を見せ始めたペニスが外気に触れる。伊織は嬉しそうに先端の割れ目へとキスをした。
「じゃあ舐めますね」
ジュルリとペニス全体が舐められると、ゾクッとした身震いを覚えた。こんな状況であっても――こんな異常な状況だからこそ、いつもより敏感になっているようだった。
「大きくなってきたぁ」
ムクムクと反応するペニスを見ながら、圭介は伊織の頭を撫でた。どうせもう避けられないのだ。ならば、いっそ快楽に身を委ねるのが一番であろう。股間を一心不乱に求める伊織を見下ろしながら、圭介はこの関係を断ち切らなければ無理だと悟った。
ペニスに与えられる刺激。脅迫まがいのことをしたときとはまるで違っていた。ぎこちなさがなくなり、滑らかになった伊織のフェラチオに圭介は次第に声を漏らし始めた。
「まだイっちゃダメですよ」
「保障はできない」
そう言うと、ペニスからパッと刺激がなくなった。圭介はおやっと思いながら伊織を見た。
「どうせ出すのなら伊織の中にお願いします。今日は安全な日なので、何発注がれても平気ですから」
スカートを捲って見せた伊織に、圭介は驚いた。
「は、穿いてないの」
スカートの下に本来あるはずのものがなかった。陰毛が風呂上りのようにしっとりと濡れていた。
「今日は特にムラムラしちゃって……朝から一日中穿いてないんです。『もし見られたらどうしよう』って思うともう……」
いくらクラスメイトのほとんどが女生徒だからといって、なんて大胆なことをしたのだろうか。驚きを通り越して感心すらしてしまう。圭介の気持ちにスイッチが入った。
「伊織はこんなはしたない格好をして俺を待っていたんだ。エッチな子だよ」
圭介の口調が変わると、伊織は嬉々とした顔を見せた。
「ああ……ご主人様のそのお言葉待っていました。もう伊織とはそんなことしたくないんじゃないかって、不安だったんです」
猫のように擦り寄ってきた伊織の下腹部に手を伸ばすと、中はぐっしょりと濡れていた。
「メス猫らしく発情しているんだな」