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それが日奈子の女性器だと気が付くまでに数秒を要した。むせ返るような独特のにおい。鼻先に滴り落ちる汗とは違う水気。鼻筋に沿って上下に動く女性器は、日奈子が圭介の顔に跨っていることを意味していた。
「おい日奈子、うぶっ」
口を開くと蓋をするように割れ目が覆った。
「お兄ちゃんが悪いんだよ。日奈子が舐めてってお願いしているのに無視するから」
体重をかけていないから、重たくはなかった。しかし顔面を女性器で覆われる経験なんてなかったから、興奮ではなく息苦しさしか感じられなかった。
「や、止めるんだ……日奈子……止めるんだ」
辛うじてそう言うと、日奈子の動きが止まった。
「じゃあ舐めてくれる?」
本当は舐めたくなんてなかった。けれども、こんな状態を続けられてはたまったものじゃなかった。
「舐める。舐めるから。早く退いてくれ」
その言葉にようやく圭介の視界が開けた。見慣れた天井が見え、圭介はホッと胸を撫で下ろすと、すかさず肩を揺すられた。
「早くぅ。退いたんだから早く舐めてよぉ」
顔のすぐ横では、日奈子が足をMの字に広げて待ち構えていた。
大きくなってからは初めて見る妹の女性器。小さい頃に一緒に風呂に入ったときにはツルツルだったそこは、今ではジャングルのように毛がびっしりと生えていた。どうやら日奈子は毛深い体質のようだ。
顔を近づけると、やはり磯やチーズを思わせる香りがムッとした。毛深いジャングルを指で掻き分けつつ、圭介が舌を伸ばすと、日奈子は身体を小さく跳ね上げた。
女性器を舐めるのは初めてではなかった。けれど、おそらく日奈子は舐められることは初めてなのだろう。小さな声を漏らしながら快感に耐えている姿はいじらしく見えた。
「きゃうん! そこはダメぇ」
包皮に包まれたクリトリスの皮をゆっくりと剥いでやると、剥き出しになった性感帯をベロンと舐めてやった。そうすると日奈子の身体は大きく跳ね上がり、閉じようとした足に圭介の顔は挟まれた。
ほどよい肉がついた日奈子の太ももを押し広げつつ、圭介はクリトリスへの愛撫を続けた。これまで拒み続けてきた反動のように一心不乱に舐めあげる。
「だ、ダメぇ。もうイキそう」
「いいよ。イっても」
口の周りを唾液と愛液でベチャベチャにしたまま圭介は答えると、クリトリスを舐めながら膣に指を挿れた。指先はズルッと小さな口に飲み込まれた。
「ああああダメ、イク、もうイっちゃう!」
日奈子は大きな声を張り上げると、すぐに脱力をした。