08
アナルセックスを求められ、圭介は戸惑いを隠せなかった。アダルトビデオだけの世界だと思っていたのに。視線の先にある真夏の尻。丸くて白いそれに透明な液体が塗りたくられている。
「ねえ、北野君も塗ってくれないかしら。こう中の方を」
顔をわずかに赤らめた真夏が振り返ると、圭介は気恥ずかしさで顔を背けた。いつもはどちらかといえばみんなにいじられているキャラクターなのに、今の真夏はまるで別人だった。
「お願い。これを塗らなきゃたぶん裂けちゃうと思うから」
本当にアナルセックスをする気なのだ。つい先日童貞を卒業したとはいえ、まだ女性経験に富んだわけではない。それにも関わらず、肛門を使ったセックスをするというのか。
圭介は逡巡しながらも、ローションのボトルを手に取った。掌に液体を注ぐと、指の隙間から液体が漏れ落ちた。
「いいんですよね?」
見た目は洗剤と変わらなかった。しかし、掌で弄ぶと、ヌルヌルとしていかにも滑りがよさそうな感じだ。
「いいよ。たっぷり塗ってね」
キュッと窄めた蕾に指先が触れると、ピクリと反応を見せた。圭介はローションを広げた手で蕾の周辺を満遍なく触った。
「中もお願い。ギュって入れないで、ちょっとずつ挿れて」
未知の穴が待っている。排泄物だけを出す穴に指を挿れる。昔、日奈子と遊んでいるときに浣腸をしたことがあるが、あれはズボンの上からだったし、所詮は子供の遊びだった。
「あっ……」
指先にたっぷりとローションを塗りたくり、圭介はゆっくりと蕾の中へ人差し指を挿れてみた。爪先が、次いで第一関節まで指が飲み込まれた。
「は、入った」
「うん。そのまま軽く出し入れしてみて」
真夏の言葉に従い、圭介はゆっくりと指を抜いた。キュポンと小さな音を立てて指が蕾から出てくると、今度はまた中へと挿れる。
「はぁ……」
真夏が吐息を漏らすと、それだけで圭介は産毛が逆立った。こんなにも大人っぽい真夏を見るのは初めてのことだ。
「うん。そろそろいいかしら。じゃあ、北野君もおちんちんに塗って」
ローションのおかげで真夏の尻はテカテカとしていた。圭介は言われるがまま、ローションを掌に注ぐと、自慰をするようにペニスに塗りたくった。ペニスは自分でも驚くほど固く隆起していた。
「じゃあ、挿れて」
「ほ、本当にいいんですよね?」
「ここまできて止めるつもり? 冗談言わないで。まなったんはみんなのアイドルだから。前の穴は結婚するまで取っておくけど、後ろの穴は平気なの」
どういう理屈なのかわかりかねたが、本人がそう言うのだ。圭介は乾いた唇を舐めると、ローションをふんだんに塗った蕾へとペニスの照準を合わせた。