第十章「打ち上げ」
08
 両足首を持ち、Mの形にすると、圭介は閉じさせないように足の間に身体を入れた。そのまま足首を上に掲げるようにして持ち上げると、絵梨花の女性器は丸見えとなった。
 一本の筋。キュッと窄められた肛門。待ち望んだ形では決してないが、憧れの人の一番見たかった部分が今、目の前にある。

「やあ……」

 開かれた足と足の間から覗かせる絵梨花の顔。手で覆っているが、耳元が真っ赤だった。

「お尻の穴まで丸見えですよ」

「くっ……」

 歯を噛み締めながら羞恥に耐える絵梨花がいじらしかった。圭介は鼻先を女性器に近づけると、嗅ぎ覚えのある香りがした。やはり女性器のにおいは大差がないものなのだろう。
 磯のようなチーズのような香りのするそれをじっくり嗅ぐ。犬のようにクンクンと嗅ぐと、我慢できなくなった舌が勝手に舐め上げた。

「ひゃん!」

 まだ誰にも舐められたことのない部分を舐められ、絵梨花の身体が跳ねた。反応が面白くて、可愛くて圭介は連続で舐め上げた。

「やっ、やめ……そこは汚いから……」

「生田さんに汚いところなんてありませんよ。例え、お尻の穴だろうが足の指だろうがどこでも舐めます」

 割れ目に沿ってペロペロと舐める。頭の中は沸騰しそうなほど興奮をしている。

「美味しいです。甘酸っぱいような、それでいて濃厚なような」

 興奮でクラクラとしそうだった。どこを責めたら一番感じるのかなんて頭の中からスッパリと抜け落ちている。ただデタラメに舐め上げた。

「くぅ、や、止めなさい」

「止めませんよ。ここまできて止めるなんてありえませんから」

 例え彼女から嫌われようとも――そう思うと、もうとっくに嫌われているのではと気が付いた。こんなことをしているのだ。嫌われて当然だ。今まさにレイプまがいのことをしている人間が嫌われることを考えるなんて馬鹿げたことだ。
 目の前の獲物に集中しろ。首をもたげる快楽に身を任せるのだ。後のことなんて考えなくていい。

 伊織にしたように、圭介はまた絵梨花に性欲をぶつけようとした。ズボンの下にあるペニスが痛いほどに勃起し、圭介がチャックに手をかけたときだ。ガチャリと音が聞こえた。
 その音で圭介は我に返った。下から聞こえてきたような気がする。もしかすると、玄関か。

「お姉ちゃんかもしれない」

 希望を抱いたような絵梨花の声が聞こえた。圭介の動きが止まると見るや、絵梨花はサッとその場から離れた。

「もう帰って」

 感情を押し殺した低い声だった。機械のような声に、圭介のペニスは急速に萎えた。

「帰って」

 従うしかなかった。圭介は操り人形のように立ち上がると、部屋を後にした。

■筆者メッセージ
今日は暑かったですなぁ。
( 2017/06/20(火) 19:27 )