第8章
早くも決まり?
その日の夕方…

ピンポーン

「誰か来た。」
「咲良かもな。」
「さくちゃん!?私久々に会う、さくちゃーん!」
(これで咲良じゃなかったらどうなるかな…冗談で言ったつもりなんやけど。)
「お兄ちゃん、さくちゃん来たよー!」
「え…」
(ほんとに咲良来たんか…まぁ行くか。)

優希はリビングに向かうと美音と咲良がいた。

「優ちゃーん!」

咲良はいきなり優希に抱きついた。

「あーさくちゃんずるい〜…」
「あはは…ってそれより例の件で来たんだろ?」
「さっすが優ちゃん、こういうのには優ちゃん食いつくよね?」
「そんなことないと思うけど…」
「どうせお兄ちゃんは、さくちゃんとエッチすることしか考えてないよ…絶対!」
「いやあのなぁ…」
「えー優ちゃんいやらしい〜…」
「俺より変態な奴らに言われたくないけどな。」
「お兄ちゃんも変わんない!」
「そうだそうだ!」
「はいはい…それより早よ話せよ。」
「えーと場所はね福岡の温泉で…」
「福岡か…」
「ねぇお兄ちゃん…福岡ってどこ?」
「福岡って九州のだなぁ…」
「九州!?イェーイ行く行く!」
「えっ…美音ちゃん行くの?」
「いいだろ行ったって、まぁ知ってるのは咲良だけだろうけど…」
「まぁ最初は私と美桜と優ちゃんだけやったからね…」
「えーお兄ちゃんまさか二人と…」
「だからなぁ…俺がセレクトしたんじゃないし…」
「違うんだー…つまんないの〜…」
「それとさ、他に誰が行くの?」
「えーとまぁ美音だろ、後は俺の知り合いと後は…」
「まぁ時間はいっぱいあるからね…また来るね。じゃあ…」

咲良は帰って行った。

「福岡だって…楽しみだね…」
「そうだな。それより咲良だからええけど、俺のことベラベラ喋るなよ…ったくお初の子だったら変な人やと思われるじゃねえかよ…」
「いいじゃん、日が経ってお兄ちゃんのこと『なんていい人…』ってなるよきっと…」
「そんなアニメみたいな話があるかよ…」
「楽しみだなぁ福岡…」
(聞いてねえよ人の話…)

とにかく行き先は福岡と決まった。

夜明け前 ( 2020/08/19(水) 19:31 )