第6章
気まずい
翌日、優希は何気なく学校に登校したが、地味に山本先生と昨日の件で気になってた。

(先生の顔見れねえなこれは。今日も確か日本史あるよなぁ…また途中で抜けよかな…いや、二日連続は流石にまずいか。どうしよ…)

優希はそんなのを考えながら教室に入った。

「よぉー優希、何だよ朝からこんな顔して…何かあったんか?」
「大アリだけど言いたくない。」
「何だよそれ…まぁいいや、どうせ美音ちゃんの件で疲れただけだろ?」
「残念だけど今回は美音は全く関係ない。」
「違うのかよ。まさかお前…誰かと付き合っ…」
「アホ!堂々と破る奴がどこにいんだよ!」
「じょ…冗談だって…そんなに怒んなよ。」
「はーいみんな席着いて。」

指原先生が教室に到着、席に座る生徒たち…

「えー昨日も言ったけど、来週テストだからしっかり授業受けてね。特に、優希君いい?」
「大丈夫でーす。」
「ほんとかしらね?それと、山本先生が呼んでたわよ。」
「へっ!?」
「優希何かしたんか?」
「何もしてないし…」

教室がざわめいた。

(ほんとはしたんだけど…てか、話って何だ?やっぱ昨日の件かな…やだなぁ…)
「だから、これが終わったら早く向かってね?」
「わかりました…」

大体見当はついてたが、どこかで違ってることを祈る自分もいた。

「はい、朝はこれで終了。じゃ、みんな今日も一日頑張ってね。解散!」
「はぁ…行くか山本先生のとこに…」
「お前山本先生に呼ばれるとかいいよなぁ…羨ましい。」
「何がいいんだよ…」
「ま…健闘を祈る。」
「祈られる筋合いねえし…」

優希はそう言うと山本先生のところへ向かった。

(確か山本先生って職員室にいないよな…図書室にいるイメージがあるんだけど…行ってみるか。)

優希は職員室に向かわず、図書室に向かった。賭けだったが、優希は確率の高い方を選んだ。優希は賭けにはそれほど強いわけではない。けど、たまに大当たりする。それが運悪いことが多いのが問題だが…

(いるかな…)

恐る恐る図書室に入る。

「山本先生…」
「優希君?」
「やっぱここでしたね。」

賭けが当たった。後は運がついていればいいのだが…

夜明け前 ( 2020/08/18(火) 13:32 )