昔と変わらない咲良
優希は咲良にお茶を用意した。
「ありがとー優ちゃん。喉カラッカラでさ〜…」
「咲良走って来たのか?」
「当たり前じゃん。だってさ中学以来だよ?優ちゃんに久しぶりに会いたいなぁって思ってさ。」
咲良と優希は同い年のようだ。どうやら中学は一緒で高校は違うみたいだ。
「卒業してから会ってなかったか?」
「会ってないよ、会う時間がないのもあったけどさ。」
「そっか。」
ふと、優希は大きな荷物を見つけた。どう見ても優希のものではない。
「なぁ咲良、この荷物…」
「ああこれ?流石優ちゃん気付くの早い。優ちゃん家に泊まろかなって思って。」
「やっぱりな。」
「まぁ美音ちゃんもいないしさ、優ちゃん独り占め出来るし…えへへ、なんちゃって。」
「くだらないことを…まぁゆっくりしてきなよ。折角来たんだし。」
「うん。」
その後優希は自分の部屋に戻った。咲良はずっと下にいた。
(まさか咲良と会うとはな。中学とあまり変わんねえなほんとに…みんな元気にしてるかな?)
咲良と会ったことにより、中学の頃のメンバーを思い出していた。みんな今も元気だろうか?付き合ってる奴はいるだろうか?
(はぁ…みんな高校生活楽しんでるだろうなぁ。俺は何も楽しいことないけどさ。恋愛禁止とか悠太じゃねえけどきついなほんと…早く卒業してぇ…それか校則変わんないかなぁ。)
珍しく優希は落ち込んでいた。それはみんなには見せない姿だった。負のオーラはないが、全く元気はなかった。
コンコン
「ん?咲良か?」
「優ちゃん入っていい?」
「ああ別に構わんけど。」
「入るよ?」
部屋に入って来た咲良に優希は目を疑った。
「さ…咲良お前なんて格好だよ?」