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三章 二人のセンター
二人の悩み
時は少し遡る。


海人「おもちゃだ。俺の思うように動くよう改造してあるがな。」
土生「ほうほう!おもしろいおもちゃだねw」
織田「どこがw後でみんなに謝りなよw」
海人「分かってる。」


カサカサカサカサ


とおもちゃじゃない何かが動く音が聞こえた。


海人「今の音は本物だな。」
織田「そこにいた。」
土生「捕まえよー!」
海人「いや、倒す!」


教室の中から
ドスン! ガン! バキ!
とエグい音が鳴り、七瀬は扉を開けた。

七瀬「大丈夫!?」
海人「開けるな!」
織田「開けないでー!」
七瀬「え?ひぃーーー!」
「キャーー!!」

海人「逃がすか!」
織田「追うよ!」


すばしっこくて中々追いつけない。


海人「オダナナ、上手くこっちに連れてこい!あかねん、ちょっとボール借りていい?」
守屋「嫌だ!絶対にこれで倒すじゃん!」
海人「新しいのプレゼントしてやる!」
守屋「ならいいよ!」


そんなやりとりをしているとオダナナとGがどこかへ消えた。


海人「下だな。」


下へ行くとオダナナがハリセンを構えている。


海人「どけ。俺がやる。おらよ!」


最低限の力でテニスボールを投げてゴキブリを見事撃破したように見えたが。ゴキブリは海人のほうへ走り出す。


海人「次は逃がさん。」

そう言いながらゴキブリを軽々と掴んだ。そして何故か1年A組の教室へ。


ガラガラガラ


中田「どうしたの?ってなに連れてきてんの!💢」
「キャーーーー!!」


1年はパニック状態。


海人「クスクス。失礼しました。」


バタン


海人は部室裏へ行き、ゴキブリを離した。


海人「ここには来ない方がいい。マジで殺されるぞ。じゃあな。」


ゴキブリはそのままどこかへ消えていく。そしてとあるものを見つける。


海人「これって俺がてちにあげたペンダント?あいつここで落としたのか。」


ペンダントを開くと二人のツーショット写真が入っている。


海人「洗って返してやるか。水道はどこだ?」


水道を探して洗ってから帰ったので当然1時間目に遅刻し、ぽんコンビと一緒に放課後の時間に職員室に呼び出されるのだった。


七瀬「全く!美術進んでるから生徒会決めやろうと思ってたんよ?どうしてくれるん?」
三人「ごめんなさい。」
七瀬「海人くんに限ってはてちちゃんが無くしたペンダントを洗って遅れたんやろ?めっちゃ素敵な話やけどダメやで!💢そのせいで・・・」


午後部活が終わるまでずっと説教が続いた。ちなみに寝坊しただけの二人は僅か10分ほどで解放されている。


海人「やっと解放されたな。ななさん怒るとめんどくさいな。」


一人で歩いているとてちが校門で待っていた。


てち「やっときたw早速だけど駄菓子屋に行くよ!」
海人「おい!いきなり引っ張んな!」


てちに手を引かれて駄菓子屋へ向かう2人、そんな2人の姿を目撃して不思議に思う姿が幾つかあった。


おばちゃん「てちちゃんもまたここで暮らすんだってね〜!これサービスだよ!アイス2本!」
てち「ありがとおばちゃん!じゃあ行こ!」
海人「どこに?ってあそこしかないか。」


立ち入り禁止の更に立ち入り禁止の場所である元展望台の屋根の上へ。


てち「ペンダントありがとね!ちょうど半年くらい前に無くしちゃってさw」
海人「知ってる。自分で言ってただろ。号泣するほど大切にしてくれてたよな。俺も同じだ。この腕時計いまでも大切にしてる。」


海人はそう言いながら俯く。いかにもなにか悩んでいそうな顔で。
ずっと一緒にいたてちが海人の悩みに気づかないはずもない。


てち「悩み?」
海人「別に。」
??「当ててあげようか?てちだけめっちゃ贔屓しそうで不安!」
??「先輩わかりやすすぎますw」
海人「ここは立ち入り禁止だぞ。齋藤、松田」


いつのまにかアイスを持った二人が後ろにいた。
二人はアイスを貰うところを見ていたらしく、ついてきたらしい。齋藤は海人の隣に、松田はてちの隣に座る。


齋藤「いやいやw立ち入り禁止なのに当たり前のように入ってる人に言われたくないんだけどwwそれでどうなの?」
海人「正解。」
松田「私はそのままでも良いと思いますよ!無理に変わる必要はないですよ!」
齋藤「そうだよ!あとてちも無理しなくて良いからね!てちも同じこと抱えてるのバレバレだからw」


二人は目を合わせて無言で顔を赤らめた。どっちもどっち。


海人「てちも同じ悩みを持ってたとはな。」
てち「べ、別に…。」
齋藤「てちも素直になりなよ!」


照れくさすぎて目を逸らしちゃった。その様子に嬉しかった海人もまた…。


海人「というか二人はどういう組み合わせだ?」
松田「お隣で昔からの仲良しです!お姉さん的存在。」
齋藤「うん!」
てち「そうだったんだ♪なんか私たちみたいだね。」
海人「そうかもな。」


二人の悩みはあっさり解決。
アイスはみんなハズレ。


海人「家まで送る。」
松田「先輩ってツンデレ紳士ですよね!」
海人「黙れ。行くぞ。」
齋藤「てちも行こ!」
てち「うん!」


こうして4人は家に帰っていったのは良いが次の日から海人に試練が待ち受けていた。

■筆者メッセージ
最近コメ欄が荒れているというメッセージを確認しました。たしかに荒れてますね。成りすましっぽいのもいますし。

そういう人には何を言っても通じないので私はスルーしますがみなさんはお好きにどうぞ。
深見飛彩 ( 2022/07/07(木) 20:50 )