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一章 アイドルを目指すもの
似たもの同士
ピンポーン


海人は小林家のインターホンを押した。

小林母「はーい!あなたが波の息子の海人くんね!」
海人「母さんと知り合いなんですか?」
小林母「埼玉の高校にいた頃の同級生よ!ちなみに明日会う渡邉理佐ちゃんって子と尾関梨香ちゃんって子のお母さんは大学時代で同じゼミだったの!あっ、ゆいを迎えにきたのよねwゆいーー!」


小林がダダダダも凄い足音を鳴らしながら階段から降りてきた。

海人(めっちゃ綺麗…。)
小林「ど、どうも。」
海人「どうも。あの…」
小林「そうだよね。」
海人「うん。」


人見知りが発動して話が続かない。


小林姉「ちょっと2人とも硬いってw何その会話wウケるんですけどw」
小林「お姉ちゃんはいいよね💢表情豊かで陽キャで人気者だもん!」
海人「無理して俺を案内しなくてもいい。」
小林「無理はしてないよ。ただ人見知りでこういうのには慣れてないの。」
海人「そうか。とりあえず行こう。」
小林母&姉「行ってらっしゃい!」


小林は母と姉に笑顔で見送られながら二人は歩き始めた。


海人「小林さんはこっちを歩け。道路側は危ない。」
小林「えっ?ありがとう。優しんだね。」
海人「別に。ん?」
小林「どうしたの?」
海人「ちょっとここで待ってろ!なんかヤバイ声が聞こえる。」


それだけ言って海人は一人で前に走り出してしまい、小林はそんな海人を追いかけた。



海人「おい、手を離せ。」
不良「あぁん?wなんだテメェw見ない顔だなw」
海人「話す気がなさそうだな。なら話は早い。」


海人は不良に腕を掴まれている女の子を助けるために走り出したのだ。女の子が怪我をしないように強引に手を離した。


海人「怪我は?」
??「してないです。危ないですよ!私のことはいいので逃げてください!」
海人「逃げてくださいはこっちのセリフだ。」
小林「追いついた……。ってゆっかー!?」
菅井「ゆいぽん!?この人と知り合いなの?追いついたって言ってたけど。」


小林が菅井に事情を話している間に不良と対峙する。


不良「てめぇ、舐めてんのか?」
海人「舐めちゃいない。舐めるというのは弱者がやることだ。おまえのような弱者がな。」
不良「カッチーン💢てめぇだけは許さねぇ。〇してやんよ!」

カッターを持って殴りかかるが海人はあっさり避けて足を引っ掛けた。

海人「大したことないな。弱い犬ほどよく吠える。まさにこのことだ。」
不良「( `_ゝ´)チッ」

余程悔しかったのだろう。不良は超スピードで走り去った。


海人「ゆっかーさん、大丈夫か?」
菅井「大丈夫。ありがとう!私は菅井友香。よろしくね!」
海人「よろしく。俺は水川海人。」
菅井「水川くんありがと!じゃあ私は習い事があるから!また明日ね!」
小林「バイバーイ!」


そして再び二人で歩き出した。


小林「強いんだね。」
海人「ああ。強さがなければ何も守れないからな。」
小林「へぇ〜。でも海人君って強さと同じくらい優しさもあるよね。」
海人「知らん。」
小林「さり気ない優しさも大胆な優しさも持ってるじゃん!」
海人「初めて言われた。そんなこと。」


珍しく海人の顔が赤くなる。ただ照れてるだけだろう。


小林「さっきは無愛想でごめん!」
海人「無愛想に関しては人のことは言えないから気にしなくていい。」
小林「何それwあっ、あそこが商店街!ほら、行くよ!」
海人「ああ。」

2人は手を繋いで笑顔で商店街へ!
商店街に入ったらみんなが明るくお出迎えしてくれた。


魚屋「おおっ!例の公子ちゃんのお孫さんか!」
海人「祖母をご存知なんですか?」
魚屋「おうよ!一緒にこの商店街を支えてたからなw海人くんのお母さんもここに住んでたんだぜ?w」
海人「初耳。」
魚屋「ちょっと待ってろ!」


数分後に全ての店の店主が海人のもとに集合した。


海人「なぁ、昔の母さんってどんな感じだった?」
肉屋「そうだなぁw無愛想wまさに今の君だw」
海人「えっ!?」
小林「あの明るいお母さんも無愛想だったんだw」

意外な事実を知り、口がふさがらないw
母親も無愛想だったことを知って海人は嬉しいのか嫌なのかよくわからない気持ちになっている。


海人「いつからあんな明るくなったんだ?」
魚屋「そうだなぁ。旦那さんと付き合い始めてからじゃないか?」
肉屋「たしかに。それくらいだよなw」
駄菓子屋「付き合い始めて一気に明るくなっていったわw」


小林(海人くんも付き合い始めたら明るくなるのかな?w付き合うとしたら誰とだろ?w)


海人「おい、今俺も付き合い始めたら明るくなるのかな?とか思ってたろ。」
小林「せいかーい!だって気になるじゃん!」
海人「誰とも付き合う気は無い。あいつが嫉妬する。」
駄菓子屋「海人くんのお母さんも昔はそう言ってたわよw」

小林(ん?あいつ?誰だろ。)
海人(結婚するとしたらあいつとしたい。)

小林「(*≧m≦*)プププ」
海人「笑うな💢」
小林「ごめんごめん。海人くんが結婚するとき式に呼んでくれる?w」
海人「おまえ普通にドSだな。」
小林「そんなことないよ?」
海人「いいや、ある。」
小林「ない!」
海人「ある!」

言い合ってる二人を見て笑い出す商店街の人達。昔見た光景を重ねているのだろう。


魚屋「どっかで見たことある光景だなw」
肉屋「これからの若者の成長が楽しみだw」


こうして2人は喧嘩しながら?家に帰った。


母「どうだった?」
海人「知るか💢」
母「楽しかったのねwゆいちゃんのお母さん元気だった?」
海人「元気だった。明日会う渡邉理佐って子の母親と尾関梨香って子の母親は大学時代の友達なんだってな。」
母「わたなべ?おぜき?えっ!?あの二人に海人と同い年の子供がいるの!?結婚してるのは知ってたけどw」

海人(知らなかったのか。)

海人「じゃあ今日は寝る。おやすみ。」
母「おやすみ!」


こうして海人は明日のために眠りについた。

深見飛彩 ( 2022/06/02(木) 21:14 )