序章
君が帰ってきた!
××年の4月。
日向町に転校生がやってきた。その名は生田大我。


絵梨花「大我ーーー!起きろーーーー!」
大我「ふぁ〜。もうそんな時間か。」


目を擦りながら姉が待つリビングに向かった。


絵梨花「はい!お姉ちゃん特製の卵焼き&ウインナー!とご飯と味噌汁!」


ぎこちない形をしている卵焼きと普通の皮付きウインナー。めちゃくちゃ色が濃い味噌汁に普通の白米。
見た目はともかく美味しそうな匂いが部屋中に漂う。


大我「いただきます。」
絵梨花「どう?」
大我「味噌汁の味が濃いかな。それ以外は美味しい。
そうだ!後で向かいの家に挨拶行ってくる。」
絵梨花「鈴花ちゃんだっけ?」
大我「そう。表札そのままだから多分今も住んでると思うから。
ご馳走様!それじゃ歯を磨いてそのまま行ってきます。」
絵梨花「行ってらっしゃい!」


大我は大空大我と書かれているボロいリュックサックを持って新たな高校へ歩き出した。


(すず……。俺のことを覚えてるのだろうか?覚えてなかったらただただ気まずくなるだけ。
どうしようか……。)


富田家のインターホンの前で1人悩んでいる大我の前に救世主が現れる。


??「あれ?もしかして噂の転校生?すずちゃんに何か用事?」
大我「あぁ。俺は生田大我。あんたは?」
久美「佐々木久美!よろしくね!例のおたけたちの幼馴染だよね!
でも聞いてた苗字と違うような気がするけど……。まあいっか!遅刻寸前だから一緒に走っていこ!」


(おたけって誰だ?でも俺のことを覚えてくれてる人がいるってことか。嬉しいかな。)

ねぼすけの久美からみんなはとっくに登校していることを聞いた大我は久美と一緒に急いで学校へ向かった。


久美「あの生田絵梨花さんの弟なの!?しかも生田さんと二人暮し!?」
大我「あぁ。両親が亡くなってそれで従兄弟のえりちゃ…じゃなくて姉さんの家族に引き取ってもらったんだ。だから転校した。」
久美「そっか!辛い過去を持ってるんだね。教えてくれてありがと!あっ、ここだよ!」


どこにでもありそうなシンプルで漫画やアニメに出てきそうなそこそこボロい学校が目の前に。
早速2人で学校に入って職員室へ


久美「迷子になってたので連れてきました!」
大我「嘘つくな!なってないだろw」
??「はいはいwわかったからw
それより久しぶりだね♪
大ちゃん!」
大我「まいまい……。老けた?w」


ガツン!!とゲンコツをする音が鳴り響いた。


久美「女性にそういうこと言っちゃダメ!」
深川「久美ちゃんナイスw
とにかく今日から私が担任だからよろしくね♪」
大我「姉さんから聞いてたけど本当だったんだ…。
よろしくお願いします。まいまい!じゃなくて深川先生!」


この学校には学年ごとにそれぞれA組とB組で分かれているようで大我はA組に案内された。


深川「みんなおはようございます!」
「おはようございます!」
深川「それじゃ早速転校生を紹介するね。自己紹介お願い。」
大我「めいめい?」
??「ん??」


どうやら知り合いがいたようで話しかけてみるも向こうが誰だかわかってない。


大我「めいめい?俺だよ!大空大我!今は生田だけど!大ちゃんって呼んでくれてたじゃんか!」
??「大ちゃん…。大ちゃん…。
あっ!大ちゃん!帰ってきたん!おかえりーー!!早速あやに報告せな!」


(あやは別のクラスにいるんだ。俺も行こう。)


深川「ちょっと!どこに行くの💢全く…初日からやらかしてくれるよね……。」


初日だからという理由で今回は見逃してくれた。


ガラガラガラガラバン!!


芽依「あやーーーー!大ちゃん帰ってきたーー!」
彩花「フンッ!」
芽依「あれ?嬉しくないの?」


(やっぱり怒ってるか……。あやの心は繊細だからな…。)
そんな彩花とは違い、駆け寄ってくるメンバーが……。


史帆「やっほーー!あれ?顔にこんな傷あったっけ?w」
大我「このヘニョヘニョ具合はしほりーにょ。」
史帆「正解!てかその呼び方やめて!💢」
大我「悪い。分け合ってあだ名しか覚えてないんだw」


(あんなことなければ……。)
急に切ない顔になるもんだから史帆が笑顔で無理矢理その場をやり切ろうとするw


史帆「こ、ここで問題です!こっちの子はだーれだ?w」
大我「このパンの香り……みーぱんだろ?見た目もあんまり変わってないw」
美玲「正解!さっすがー!
おかえり!大ちゃん!」
大我「ただいま!」


普通に会話が進んでいくけど今はホームルーム中。もちろんB組の先生が……。


??「おい!何しとるんやw東村も生田もA組に戻れw」
二人「はーい。」


二人で仲良くA組に戻り、A組もホームルーム再開。ホームルームが終わり、一人一人と自己紹介した。

あれから時間が経ってお昼なり、同じクラスの女の子たちと一緒にランチタイム。


芽依「なぁ、どうやって生き返ったん?パパとママから死んだって聞いてたんやけど。」
大我「死んだ……ねぇ……。それまた今度でいい?」
芽依「うん!そうだ!イチゴあげるーー!」
京子「うっそ…もう懐いてる…」


早速仲良くする2人を見ていつも芽依と仲良くしていた齊藤京子が不思議な感情を抱いていた。


大我「そもそも幼馴nゔっ…」
芽依「顔おもしろーい!」
大我「ゴックン。喋ってる途中に入れるな!」
齊藤「めいめいが懐くってことは良い人?」
大我「失礼なやつだなwめいめいとはよく走り回ったり、追いかけ回したり、競争したりしたりした仲なんだ。」


その発言に対してみんなが同じ突っ込みをした。
「走ってばっかり」
口に出すクラスメイトもいれば心の中で突っ込むクラスメイトもいた。


潮「でもあやちゃんのこと好きだったんでしょ?w」
大我「はぁ?!」
愛奈「おたけは学園のマドンナだから気をつけたほうがええよw」
大我「へ〜。てかめいめい!さりげなく人の弁当を勝手に食うなw」
芽依「えへへw美味しい〜!」


早速振り回される大我だが、その顔には満面の笑みしかない。
これから大我はたくさんの仲間に振り回されていく。

深見飛彩 ( 2023/01/27(金) 00:05 )