再会と絶望
車に揺られること1時間。
井上は目隠しをされた状態で後部座席に座っていた。
井上「本当にメンバーはそこにいるんですよね。」
〇〇「いるも何も、メンバーが行方不明になってることを知ってる時点で察しがつくだろ。」
突然、同期のメンバーが行方不明になって3日目。
スタッフが本格的に警察に届けを出すか検討しているという連絡が入った矢先の電話だった。
〇〇「メンバーの居場所が知りたかったら今すぐ玄関を開けろ。誰かに喋ったらお前の大事な仲間の顔に傷をつけることになるぞ。」
電話先の男はそれだけ言って電話が切った。
井上は一瞬何が起こったのかわからなかったが、玄関の覗き穴から外を見ると、そこには男が1人立っていた。
自分の住所も電話番号もバレていると察してただ事じゃないと理解した井上は大人しく玄関を開ける。
〇〇「拒否権があるかはわかっているな?行くぞ。」
井上は男が差し出した目隠しを大人しく装着すると、そのまま男が運転する車に乗せられたのだ。
車に乗せられている時には色々なことを想像した。
メンバーが一体どんな状態なのかも想像できなかったし、最悪の事態を覚悟する時間にもなった。
そして、そんな中車でしばらく走らせると目的地に到着したのか車が停車した。
井上は男の誘導で車から下ろされる。
〇〇「まっすぐ歩け」
井上は男の指示に従い、車の外に出て歩き始める。
足場が悪く、歩くたびにカツカツと音がすることから足元はコンクリートであることはわかった。
しかし、そんなコンクリートの音もやがて聞こえなくなり、何も情報が入ってこなくなりズンと不安が大きくなる。
井上は足を止めて男に尋ねる。
井上「あの、ここはどこなんですか?」
男からの返答はなかった。代わりにガチャっと鍵をかけるような金属音が聞こえる。
そしてジャラジャラと鎖のようなものが落ちる音がすると、ギーッと大きな錆びた扉の開く音が続く。
〇〇「黙って歩け」
男は井上を扉の中に誘導してそこに静止させる。
また、ギーッと音がなって今度は鎖を何かに巻きつける音が聞こえる。
おそらく、ここは厳重な鍵を施された場所なのだという察しはついた。
そして、更にまっすぐ歩かさせられる井上。
次に静止させられた時にはまた鍵を開ける音と軽い扉が開く音。
その扉の中に入れられると、先ほどまでいた場所よりも寒くなり、音が完全に消えた。
室内に入れられたのだと察するには十分すぎるほどに空気が変わっていた。
男の誘導に従って、いくつか角を曲がって進み続ける。
最後、また静止を促される。今度は軽く地面が揺れ始める。
おそらくエレベーターに乗せられているんだろう。
地面の揺れがガクンという大きな揺れを最後に止まる、再び足を進めるように促される。
そして、少し中に入ったところで止まるように言われた。
今度は男だけが歩みを進める音が聞こえる。
先ほどまでよりも足音が響く感覚があるから大きな部屋か広間にいることが想像できる。
そして、カチッという音と共に電気がつき、目隠しの隙間から光が漏れいる。
それに続くように、ウィーンというモーター音と人のくぐもった音が聞こえ始める。
この声がメンバーのものではないかと心臓が冷え始める。
〇〇「目隠しを外すぞ。ちゃんと周りを見ろよ」
〇〇の声がして目隠しが外されると最初は外の眩しさに目が慣れず、情報が入ってこなかった。
ジワジワと目が慣れ始めると、そこはビルの3階あたりだろうか、窓際を外を向くように立たされていて、眼下にはかなり人通りの多い交差点が見えた。
最初は山奥のような場所を想像していたが、意外にも都心の繁華街のようなものらしい。
しかし、モーター音とくぐもった声の正体は目の前にはない。
〇〇「後ろ」
男の声に、恐る恐る振り返ると、そこには想像を絶する光景が広がっていた。
ビルの1フロアを打ち抜いた大きなスペースのあちこちに裸の女の子が転がったり吊るされたり縛られたりしている。
それぞれが目隠しとギャグボールを装着されていて、ガクガクと体を震わせていた。
股に電マを押しつけられているもの、尻の穴を暴れまわるバイブをひり出そうと気張るもの。
地面に無造作に転がされている女の子は体を丸く縛られていて、ジタバタと転げ回るもの。
ちょっと目を見張るだけで吐き気が催すものだった。
〇〇「お前が探してるのはこれだろ?」
男が周りを見渡しながら言う。
井上「いやっ・・・」
まだ状況をうまく飲み込めていない井上は動揺から何も上手く答えられない。
〇〇「なんだ?これじゃないのか?これを見ても違うと言えるか?」
男がそう言うと、男が手に持っていたものを見せつける。
それは、井上が探していたメンバー10人それぞれの私物だった。
よく見ると、そこかしこで悶える女体の数は10。
信じたくもないが、ソレがそうなのだと言わざるを得ない状況であることは理解できた。
〇〇「どうした?これじゃねえなら、ここに用はないぞ。」
井上「ち、違います!その子たちです!」
〇〇「あ?どれだよ」
井上「た、多分全員です。」
井上は震えた声で指差す。
〇〇「あぁ、全部ね。」
男はそう言うと、その辺にあった女の1人を掴んで井上の前に転がす。
手は膝下を抱えるように縛られ、両足首と両手首を一つに固定されている。
井上「ひっ」
〇〇「これが、お前の探してる子か。なるほどな。」
〇〇が井上の方に向き直って、ニヤっと笑う。
井上の足元で「ぅぁ゛...ぅぅぐぁぁ...」と悶えながら腰をガクガクと震わせ、股ぐらからダラダラと汁を垂らす女。
男は、その女の側に一つのペンケースを放り投げる。
そのペンケースはメンバーの1人、小川が使っているものだった。
グループ最年少、まだ中学生の小川の私物。
よく見れば、目の前に転がっている女の身長は小川と同じくらい。
ギャグボールから垂れた自分のよだれでグシャグシャになっててわかりづらかったが、髪の長さも小川のそれと同じくらいだった。
この投げつけられた私物の意味を理解すると井上は怒りと恐怖で膝が笑い始めた。
まだ〇学生の女の子であってもこのような非道の限りを尽くしていることに未知の恐怖と憎悪感を抱いていた。
井上は、その気持ちを吐き出すように叫ぶ。
井上「こんなことするなんて許せない!!みんなを解放しなさい!!」
〇〇「解放しろと言われてもな。この女たちは俺の所有物なんだよ。」
井上「ふざけないでください!!!」
〇〇「もう、これは決定事項なんだよ。」
男が足元に転がる小川の股に刺さったバイブを足先で蹴ってコツンと押し込むと、小川の身体がビクンッと跳ねる。
そのまま男が足グリグリとバイブを押し込むと体全体がガクガクと震えだし、壊れたおもちゃのように暴れまわる。
「アがぁ...!!ヒッグぅぅぅうう゛」
ギャグボールのせいでまともに喋られないが、狂ったような叫び声を上げ始めるソレ。
まるでかつての小川ではないように見えて背筋を恐怖で撫でられる。
〇〇「こんな面白い玩具、簡単に無料で手放すわけないじゃん」
男はがニタリとした顔で言うと、足を離して立ち上がる。
そして、小川に装着されたギャグボールを外す。
「ケハァッ!…ハァ…ハァ」
まるでマラソンが終わった後かのような息の上がり方をしている小川。
〇〇「いいか?喋りかけるなよ?」
男は井上にそう言って、小川に装着された耳栓を外される。
〇〇「ほらお客さんだ。挨拶をしなさい。」
男は小川の髪を掴んで無理やり井上の方に顔が向くようにする。
まだ目隠しをされているが、顔の下半身だけで本当にソレが小川だったのだと実感じてしまい、井上の涙が滲み始める。
小川「あの、、小川彩っていいます、、、へへ、、なんでもするので助けてください、、、へへ、、なんでも、なんでもするんで、」
無理矢理にでも口角を上げてヘラヘラと笑いながら助けを乞う井上。
あまりにも惨くて可哀想で見てられなかった。
〇〇「いい子だ。口を開けなさい」
男の声に従順に従って口を大きく開けると再びギャグボールを装着され、耳栓も戻される。
最後にまた股間のバイブを押し込まれると、また壊れた玩具のごとく転げ回り始める。
「んあ゛ぁあああ゛っ!!!」
井上は、自分がどうにもしてやれないことに胸が苦しくなる。
〇〇「わかるだろ?彼女たちには下等生物としての自覚が芽生えてる。手遅れだ。」
井上は恐怖で身動きが取れず固まっている。
〇〇「あぁ、もちろんお前のグループのメンバーも同じ運命を辿るから安心しな。」
〇〇はそう言うと、スマホを取り出して画面を井上に見せつける。
そこには、事務所で打ち合わせをするメンバーが映し出されていた。
これは、既に自分たちの事務所の内部にまでこの男の手が回っているということを意味していた。
〇〇「あと何人残ってるんだ?」
〇〇はニヤリと笑って井上に問いかけた。
井上「なんで、、、」
〇〇「質問しているのはこっちなんだがなぁ」
男は舌打ちをして小川の股間を強く蹴り上げる。
「んぎぃいやぁああああ゛」
小川はバイブを奥まで押し込まれ、身体を仰け反らせる。
井上「ご、ごめんなさい、、」
震えながらも、メンバーの名前を絞り出すように答えていく井上。
その言葉を聞いていくうちに、〇〇の顔がどんどんと歪んでいき、最後には大笑いを始める。
〇〇「ははは!!いいな!楽しめそうな数いるじゃないか」
〇〇は、井上の言葉に満足した様子でスマホをポケットにしまう。
井上「あ、あ、あの、なんでもするので私以外にはもう、、、」
〇〇「あ?なんでもする?」
井上「は、はい!」
〇〇「あのさ、こいつの言うこと聞いてなかった?〇学生でもなんでもする覚悟できてるわけ」
井上「それは、、、」
〇〇「ソレと同じだけしかない覚悟で俺から全部守ろうって無理に決まってるでしょ?」
井上「お願いします!これ以上私たちを苦しめないでください!!本当になんでもするつもりなんです!」
〇〇「話の通じんガキだなぁ…」
〇〇は呆れた表情を見せると、ロッカーから拘束具を出す。
〇〇「そんなに嫌なら挑戦はさせてやる。