第7章
第150話

白石「真夏ー!オムライス2つ3番テーブルお願ーい!」
秋元「はーい!」

学園祭が始まって1時間。
松村の宣伝のおかげだろうか。まだ昼前だというのに、蒼たちのクラスの前には席を待つ列が出来始めていた。

「蒼くーん、パンケーキ2つとタピオカ2つ、5番テーブルお願ーい!」
蒼「了解、ありがと。」

調理担当のクラスメイトから料理をもらいテーブルに運ぶ蒼。

蒼「お待たせしました、パンケーキになります。」
「ありがとうございまーす!うわ、凄い美味しそう!」
蒼「美味しいですよ。あったかいうちに是非。」
「はーい!あ、あの、写真とかって後で撮ってもらえますか?」
蒼「あ、えーと・・・」

白石の方を見ると、聞こえていたのか蒼の方ににOKサインを出していた。

蒼「良いですよ。じゃあ、食べ終わったら呼んでください。」
「やった、良いって!ありがとうございます!」
蒼「ふふっ。どうぞごゆっくり。」

テーブルを離れみんなの元に戻る。

白石「蒼君、やっぱ写真のお願いあったね!念のため撮影ブース作っておいて良かった!」
蒼「写真か〜、ちょっと恥ずかしいなぁ。あ、オムライスもパンケーキもタピオカも、美味しいってさ。みんな喜んでるよ。」
白石「良かった〜!よーし、じゃあもっと頑張ろ!」
蒼「そうだね、よろしく頼むよ。」
白石「蒼君も頑張ってね!」
蒼「おう。」

そうこうしているうちにテーブルが空いた為、列で待つ人を呼びに向かう蒼。

蒼「すみませんお待たせしました・・・って、もう来たのか。」
掛橋「相変わらず酷い反応!まぁ良いです、先輩、来ちゃいました!」

次に待っていたのは掛橋と賀喜、さくらの3人だった。

蒼「さくらと遥香も来たんだね。まだ昼前だよ?」
賀喜「だ、だって、先輩のコスプレ早く見たくて・・・それって執事ですよね?」
蒼「そうだよ。」
賀喜「ほら、当たってた!」
蒼「まさか遥香の言ってたのが当たるとはね、俺も貰った時驚いたよ。」
さくら「すごく似合ってます。先輩、めっちゃカッコいいです。」
蒼「ありがとさくら。じゃあ、こっちどうぞ?」

3人を席に案内し、おしぼりを持っていく蒼。

蒼「注文は?券持ってる?」
掛橋「持ってます!パンケーキ!」
賀喜「私もです!さくちゃんもだよね?」
さくら「うん!」
蒼「パンケーキ3つね、了解。じゃあ、ちょっと待っててね。」
掛橋「はーい!あ、先輩、生クリーム多めが良いです!」
蒼「出来たらな。」

そう言って注文を伝えにいく蒼。数分後、3人の元にパンケーキが届く。

蒼「お待たせ。はいこれ、パンケーキね。」
掛橋「ありがとうございます!あれ、ひとつ足りない?」
蒼「あぁ、もうすぐ来るよ・・・あ、来た。」
飛鳥「お待たせしました、パンケーキになります・・・って、え・・・」

席にいるのがさくらたちだと言うことに今気づいたのか、固まる飛鳥。さくらたちも固まっている。

賀喜「飛鳥さんがメイド服着てる・・・」
飛鳥「あ、違うの、これは違うから!む、無理やり着せられただけだから!」
さくら「あすぴーさん、メイド姿も似合ってます!いいな〜、かわいいな〜!」
飛鳥「おいえんぴー、いじるな!」
さくら「いじってないですよ〜、本心です!」
飛鳥「も、もう良いでしょ!じゃあね!ごゆっくり!」

そう言って恥ずかしそうに裏に逃げていく飛鳥。

賀喜「あれ、飛鳥先輩行っちゃった。」
蒼「仲良い後輩とかに見られるの恥ずかしいんだと思う。じゃあ、俺も他のテーブル回ってくるね。」
掛橋「えー、もういっちゃうんですか!もうちょっと相手してください!」
蒼「他のお客さんもいるから。あとで写真撮るんだろ?」
掛橋「良いんですか!?撮りたいです!」
賀喜「先輩、私も撮りたいです!」
さくら「わ、私も・・・!」
蒼「じゃあ3人が食べ終わったらね。」
掛橋「絶対ですからね!よし、2人とも食べよう!いただきまーす・・・っ、先輩これ、美味しいです!」
蒼「良かったよ。じゃあ、どうぞごゆっくり。」

3人の美味しそうに食べる姿を横目に、接客へと戻っていく蒼なのであった。











Haru ( 2021/12/24(金) 12:53 )