第7章
第148話

七瀬の登場により再び流れる静寂。そして、先ほどよりも大きな歓声。

秋元「なぁちゃん可愛い!凄い似合ってるよ!」
松村「ほんま、めっちゃ可愛い!」
生田「だね!昨日の真夏の100倍は可愛いと思う!」
秋元「ちょっと生ちゃん、それはさすがに傷つくよ!否定できないくらい可愛いけどさ!」
七瀬「あ、ありがとう・・・」
白石「さすがなぁちゃん・・・あ、そうだ!ちょっと蒼君さ、なぁちゃんの隣並んでみてよ!」
蒼「え、今?」
白石「今!ほら、早く!」

白石たちの言う通り七瀬の元へ向かう蒼。
そのまま七瀬の隣に並ぶ。

「「おお〜っ」」

クラスメイトがどよめく。

白石「よし、このまま写真撮ろう!」
蒼「え、なんで?」
白石「いいから!はい、いくよ!こっち向いてー、はい、チーズ!」
松村「あ、次こっち向いてー!はい、チーズ!」

何故か唐突に始まった撮影会。
廊下では他のクラスの男女がその様子を羨ましそうに見ていた。

その時、設楽先生が教室にやってくる。

設楽「おーい、やってるかー?ん、なにしてるんだ?」
白石「あ、設楽先生〜!見てください!この2人!」
設楽「ん?おお、橘と西野か、誰かわかんなかったよ!」
白石「凄いですよね!」
設楽「うんうん・・・おっ、なんだ、時透たちも同じ服着てるじゃねえか。」
蓮「結構イケてるでしょ?でもまぁ、さすが学校1のモテ男には敵わないわ。」
設楽「まあな〜。それにしてもこの衣装よく出来てるな〜。これも作ったの?」
松村「せやで!まいやんたちが作ってん!」
設楽「すげぇなぁほんと、こんなのも作れんのか。いやぁ、俺も鼻が高いねぇ。」
生田「てか設楽先生、その持ってるのなに?」

設楽先生が抱えていたのは1つの段ボールだった。

設楽「あ、そうそう。これ渡しにきたんだよ、ほら。」

中を覗くクラスメイト。そこには、人数分のクラスTシャツが入っていた。

蓮「あ、クラスTシャツじゃん!無事届いたんだな!」
設楽「ほんとは2日前くらいに届いてたんだけど、お前ら早く渡しすぎるとすぐ無くすからなー。だから今日まで俺が内緒で預かってたんだよ。」
松村「よっ、設楽先生さすが!」
設楽「だろ〜?よし、じゃあ名前呼ばれた人から取りに来て。秋元〜・・・」

全員が設楽先生の周りに群がる。

蒼「あいつら、盛り上がるだけ盛り上がって放置かよ・・・」
七瀬「はは・・・それにしても蒼、凄い似合ってるな。めっちゃカッコいいで?」
蒼「ありがと。七瀬も可愛いよ。」
七瀬「ありがとう。うーん、でもやっぱ恥ずかしいな・・・」
蒼「大丈夫、本番は秋元や松村もいることだし。あ、飛鳥もか。」
七瀬「・・・確かに、なんかいけそうな気がしてきた。」
蒼「でしょ?これもいい思い出になるといいな。」
七瀬「うん!」
設楽「おーい橘ー、さっきから呼んでるぞー、要らないのかー?」
蒼「い、要ります要ります!」

慌てて取りに行く蒼の背中を笑いながら見守る七瀬。

こうして無事すべての準備を終えた蒼たち。


学園祭開催まで、あと1日。



Haru ( 2021/12/21(火) 12:24 )