第7章
第147話

翌日。

蒼たちの学校では毎年、学園祭前日は授業がなく、丸一日準備の時間に充てられることになっている。そのため、蒼たちも朝から作業を行なっていた。

作業開始から2時間ほど経った頃。
看板作成を手伝っていた蒼に声がかかる。

白石「蒼君、お待たせ!」
蒼「ん、なにが?」
白石「もう!ひとつしかないでしょ!衣装だよ衣装!」
蒼「あ、そうだった。てことは、もしかして?」
白石「そう!無事完成しました!はいこれ!」

白石から紙袋を渡される蒼。

蒼「ありがと。じゃあ、隣で着替えてくるよ。」
白石「りょーかい!あ、蓮君たちも出来たから一緒に着替えてきて!」
蓮「おっ、待ってました!蒼、行こうぜ!」

蓮や翔、凪と隣の空き教室に入り、着替える蒼。

蒼「これって・・・」


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蒼たちが着替えに行って数分。

白石「蒼君たちまだかな?なんか、ドキドキするね!」
松村「もう来るんとちゃう?楽しみやな!」
生田「だね!・・・あ、噂をすれば!」

白石たちがドアの方を見ると、執事の衣装を身に纏った蓮たちの姿があった。

蓮「じゃーん!どうよ!」
白石「良い!すごい良いよ蓮君!」
生田「ほんと、翔君も凪君も似合ってる!みんなかっこいいね!」
翔「ありがと。」

そんなやりとりをしていると松村があることに気づく。

松村「あれ?あおちゃんは?」
翔「あー、蒼ならもうすぐ出てくると思うけど・・・あ、来た来た。」
蒼「おい蓮、俺のネクタイどこにやったんだ・・・え?」

蒼が教室に入った途端、みんなの視線が一気に集まる。
数秒の静寂。
次の瞬間、教室中が謎の歓声に包まれる。

蒼「え、な、なに?」
白石「か、かっこよすぎる!蒼君すごく似合ってるよ!」
松村「ほんまに執事みたい!なんていうか・・・あかん、言葉じゃ表せへん!」
秋元「これが、学校1のイケメンの破壊力・・・」
蒼「いや、さすがに言いすぎだって・・・」
「「そんなことない!」」

予想以上の女子の反応に圧倒される蒼。
飛鳥に助けを求めようと彼女の方を見るも、何故かすぐに目を逸らされる。

ふと蒼は七瀬の姿がないことに気づく。

蒼「あれ、七瀬は?」
白石「あ、実はなぁちゃんも今試着中なの!もうすぐしたら出てくると思う!」

その直後。教室の隅のカーテンで仕切られた場所から七瀬が顔を出す。

七瀬「ま、まいやん、ちょっと良い?」
白石「あ、どれどれ・・・え、めっちゃ可愛い!なぁちゃん似合ってるよ!」
七瀬「で、でもなんか、恥ずかしい・・・。」
白石「大丈夫だって!ほら、いくよ、せーのっ!」

白石がカーテンを捲る。すると奥から、黒と白のメイド服姿をした七瀬が現れた。

 



■筆者メッセージ
本日分遅くなりました。

引き続き本作品をよろしくお願いします。
Haru ( 2021/12/20(月) 23:14 )