白石「海ーーー！！」
松村「海やーー！！」
蓮「海だぜーーー！！」

夏休みが始まって1週間。
電車に2時間揺られ蒼たちが到着したのは千葉県にある海水浴場だった。

蒼たちが着いたのは10時ごろだったが、既に大勢の人が海水浴を楽しんでいた。

生田「凄い人だね〜！私も早く泳ぎた〜い！」
秋元「それじゃ私たちも水着に着替えに行こっか！」

蒼たちは男女に分かれ着替えに向かう。
一足先に着替え終わった男子でパラソルを立て、シートを敷く。

蓮「それにしても良い天気だなー！凪も来ればよかったのに！」
蒼「いつも通りめんどくさがってたな。」
翔「平常運転だな〜。」

白石「ごめ〜んお待たせ〜！」

振り返るとそこには水着に着替えた白石たちが居た。通り過ぎる観光客の男性たちは皆白石たちを振り返る。

白石、生田は白、松村は青、秋元は黄色の水着を身に纏っていた。

蓮「すげぇ可愛いじゃん！やっぱ水着最高だな！」
白石「蓮君絶対いやらしい目で見てるでしょー！」
蓮「そ、そんなことないって！な、蒼！」
蒼「うん、みんな可愛いよ。凄い似合ってる。」
生田「ふふっ、嬉しい〜！ありがとう！」
松村「や〜ん、あおちゃんに言われると照れる〜！もっと見てもかまんで？」

松村はそう言いながら胸元を見せるように蒼に近づく。

蒼「松村、本当に見えちゃうからやめなさい。」
松村「え〜、見てもいいのに〜。」
翔「そういえば、なんで2人はTシャツ着てんの？」

翔は七瀬と飛鳥の2人を見ながらいう。2人は水着が恥ずかしいのか上からTシャツを羽織っていた。

七瀬「だ、だって、なんか恥ずかしい・・・。」
飛鳥「わ、私も・・・。」
蓮「なんだよ〜、せっかく来たのに・・・いや待てよ。・・・これもアリか。」

蓮はTシャツの裾から見え隠れする水着を見ながら言う。

七瀬&飛鳥「っ！！この変態！！！」

そう言って持っていたタオルを蓮に投げる2人。

蓮「じょ、冗談だって！それよりほら、早速遊ぼうぜ〜！」
翔「よっしゃ、行くか。」
白石「まっちゅん、私たちも行こう！」
松村「あ、待って〜！」
生田「私も行く〜！」

そう言って走り出す5人。勢いよく海に飛び込みはしゃいでいる。

秋元「ねぇ蒼君、私に日焼け止め塗ってくれない？」
蒼「え、なんで俺？」
秋元「蒼君に塗って欲しくて。ねぇお願い？」

上目遣いでお願いする秋元。蒼の腕に胸が当たっている。

蒼「秋元、ちょっとそれ以上はまずい。」
秋元「じゃあ、塗ってくれる？」

そんなやりとりをしていると白石が海からこっちへ走ってくる。

白石「真夏〜！また変なことして〜！こっちこーい！！」
秋元「ま、まいやん！？ひぇ〜、許して〜！」

白石に追われながらどこかへ消えていった秋元。蒼と七瀬と飛鳥の3人が残った。

蒼「2人もほら、遊んできな？荷物見てるから。」
飛鳥「いいよ。荷物見てるから。蒼こそ遊んできたら？私浮き輪膨らませてるし。」
七瀬「ななも。浮き輪膨らませなあかん。」
蒼「そう？じゃあお願いしよっかな。また後で変わるから！なんかあったらすぐ呼べよな！」

そう言ってみんなの元に走り勢いよく海に飛び込む蒼。
仲良さそうに遊ぶ蒼たちを見て、七瀬と飛鳥は微笑んでいる。

七瀬「ふふっ、みんな楽しそう。」
飛鳥「だね。あーあ、私も泳げたらなあ。」
七瀬「そっか、飛鳥カナヅチなんやっけ？」
飛鳥「ちょ、ちょっとだけだからね！そう言うなーちゃんも浮き輪膨らませてるじゃん！」
七瀬「へへっ。そういや飛鳥、なんでTシャツ着てるの？」
飛鳥「それは・・・。みんなみたいに大っきくないから・・・。」
七瀬「ななもおんなじ・・・。男子ってやっぱりおっきいのが好きなのかな？その・・・蒼とかも。」
飛鳥「分かんない。でも多分好きだよ。」
七瀬「そうやんね・・・。」

沈黙する2人。

七瀬「・・・あのさ飛鳥。」
飛鳥「なあに？」
七瀬「飛鳥は蒼のこと、どう思ってる？」
飛鳥「どうって・・・そりゃただの幼馴染だよ・・・。」
七瀬「本当に？」
飛鳥「ほ、ほんとだよ・・・。」
七瀬「そっか・・・。ななは、蒼が好き。実はもう、本人には伝えてる。」
飛鳥「！！・・・そ、そうなんだ。」
七瀬「ななが蒼もらってもええん？」
飛鳥「それは・・・。」
七瀬「・・・なーんてね。ごめん、からかいすぎたな。でも、すぐ答えられんってことは答え言ってるようなもんやで？」
飛鳥「・・・。」

再び沈黙が流れる。

七瀬「さて、浮き輪も無事膨らんだし、ななも遊んでこよっかな！」
飛鳥「じゃあ、荷物見とくね。」
七瀬「ありがとう。じゃあ、行ってきます！」

浮き輪を抱え走っていく七瀬。

飛鳥「私も・・・負けないもん。」

飛鳥は七瀬の後ろ姿を眺めながら密かに闘志を燃やすのだった。