第5章
第110話


買ったものを食べ終え、再び歩き始める蒼たち。白石や松村は既に他の屋台に食べ物を買いに行った。

蒼「んー、何食べたいかなー。」
飛鳥「あ、私かき氷食べたい!」
七瀬「ななも!」
蒼「じゃあ買いに行くか〜。」

3人でかき氷を買いに行く。この店は自分で好きなだけシロップや練乳をかけられるらしい。

七瀬「ななメロンにしよーっと。蒼は何にするん?」
蒼「ブルーハワイ一択。まぁ、どれも色だけで味は一緒らしいけど。」
飛鳥「え・・・ショック。」
蒼「噂だけどな。」
飛鳥「まぁいいや、私は練乳かけていちごミルクにしよーっと!」

無事シロップをかけ終えた3人は近くの椅子に座って食べる。

七瀬「んー、冷たっ。やっぱ夏のかき氷は美味しいな!」
蒼「そうだな。あ、七瀬、舌緑になってる。」
七瀬「うそ、蒼は?」
蒼「どうだろ・・・ん、どう?」
七瀬「うん、めっちゃ青。」
飛鳥「私は!?」
蒼「飛鳥は変わんない・・・あ、でもちょっと赤いわ。」
飛鳥「へへっ、やったぜ!」

なぜか得意げな飛鳥。その後頭が痛くなったのか蒼の横で頭を押さえて悶絶している。

しばらくして、再び歩き始める3人。
すると前から蓮加たちが歩いてくる。

大園「あ〜、蓮加のお兄さん!それに飛鳥さんも!」
与田「七瀬さんもいる!」
飛鳥「あ、桃子だ、やっほー。」
七瀬「与田ちゃん、久しぶり。」
与田「お久しぶりです!今日は3人で来たんですか?」
蒼「いや、もっといっぱいいるよ、白石とか松村とか。俺たちかき氷買いに行ってたから。」
蓮加「蓮加もかき氷食べたい!お兄ちゃん一口ちょうだい!」
蒼「はい、もうあんまりないから全部あげる。」
蓮加「ありがとー!・・・んー、美味しい!」
大園「桃子も食べたーい!」
飛鳥「桃子は私があげる!はい、あーん!」
大園「わーい!・・・んー、冷たーい!」
七瀬「与田ちゃんもいる?」
与田「いいんですか!いただきます!・・・んー、七瀬さんの味がして、美味しいです!」
蒼「与田、それは意味がわからない。」
与田「へへっ。あ、そうだ!蒼君、何か奢って!」
蒼「え、何を?」
与田「うーん・・・じゃあ焼き芋!向こうにあったので!」
蒼「仕方ない、じゃあ買いに行こっか。」
与田「やったー!みんなも行こ!蒼君奢ってくれるって!」
蒼「え、おい・・・はぁ、仕方ないな。」

蒼は与田たちの食べたいものを1つずつ奢ることになった。屋台を見ながら歩いていると、ふと山下が蒼に近づく。

山下「せーんぱい、お久しぶりです。元気でしたか?」
蒼「元気だったよ。美月は?」
山下「見ての通り元気です。それより、どうですか?」
蒼「どうって、何が?」
山下「もう、決まってるじゃないですか、浴衣ですよ浴衣。今日の為に選んだんです。どうです、似合ってますか?」

蒼の顔を覗き込む山下。

蒼「あぁ、似合ってるよ、凄くな。」
山下「ふふっ、先輩ならそう言ってくれると思いました。ありがとうございます。先輩も浴衣似合ってますよ、カッコいいです。」
蒼「そりゃどうも。」
山下「むー、本心なのに。先輩のバーカ。」
蒼「そんなこと言うやつは奢ってやんないからな。」
山下「う、嘘です!あ、私チョコバナナが良いです!」
蒼「あ、俺も食べたいチョコバナナ。」

チョコバナナを買い、食べながら歩く。
すると今度は久保が蒼に近づく。

久保「先輩、今日は一段とカッコいいですね!浴衣、凄く似合ってます!」
蒼「ありがと。そういう久保も浴衣凄く似合ってるよ。あと髪型も、普段のおろしてるのも良いけど、こっちも可愛い。」
久保「そ、そんな褒めすぎですよ!でも、ありがとうございます!」
蒼「いいえ。久保は何食べたいの?」
久保「じゃあ、たこ焼きが良いです!」
蒼「じゃあ向こうの店のが美味しかったから、そこで買おっか。」
久保「はい!」

先ほど白石たちが行ったたこ焼き屋に行く。

蒼「はい久保、どうぞ。」
久保「ありがとうございます!」
蒼「じゃあ最後は」
梅澤「私です!」
蒼「梅か、何が良い?」
梅澤「焼きそばで!」

たこ焼き同様先程の店に買いに行く。

蒼「なんか今日の梅、いつにも増して大人っぽいね。浴衣だからかな?」
梅澤「そうですか?まぁ確かに、暗めの色ですもんね。似合ってますか?」
蒼「うん、めっちゃ似合ってる。凄く綺麗。」
梅澤「へへ、なんか照れますね。先輩も似合ってますよ!」
蒼「ありがと。」

こうして蓮加、与田、大園、山下、久保、梅澤の計6人に奢った蒼。
飛鳥と七瀬は既にみんなのところに戻った為、急いでみんなの元へ戻る。

蒼「ごめん遅くなった。」
秋元「遅いぞー!何してたんだー!」
蒼「蓮加たちに奢らされてた。」
白石「蒼君がいない間にまっつんなんて唐揚げとハンバーグとイカ焼き食べたんだからね!」
松村「ポテトも食べたで!」
蒼「食べすぎだろ・・・」
松村「実はちょっと苦しい・・・。」
蒼「そりゃそうだわ・・・。で、この後どうするの?」
秋元「花火まで後1時間くらいあるから、場所だけ取ってそれまでは自由行動かなー!」
蓮「じゃあ3組くらいに分かれて動くか!いっぱい居すぎても動きづらいし!」
翔「そうだな、そうしよっか。」
秋元「じゃあくじ引きで決めようか!いくよーみんなー!」

秋元がスマホで作成したくじ引きの結果、蓮・白石・秋元、翔・松村・飛鳥、そして蒼・生田・七瀬の3組に分かれることになった。

白石「蓮君とかー!なんか面白そう!」
秋元「ちょっと!私もいるからね!?」
白石「あぁ、そうだった、うっかりうっかり!」
秋元「絶対わざとじゃん!ねえ蓮君!」
蓮「俺に聞かれても。」


松村「よっしゃー、じゃあ翔君、飛鳥、食べに行くで!」
翔「まだ食べるのか・・・凄いな。」
飛鳥「・・・。」

松村に連行される翔と飛鳥。飛鳥は蒼と同じ組になれなかったからか、落ち込んでいる様子だった。

七瀬「飛鳥、分かりやすく落ち込んでたな・・・。」
蒼「くじだから仕方ないさ。じゃあ、俺たちも行こっか。」
生田「よーし、いっぱい食べるぞー!」

こうして3組に分かれたお祭りデートが始まるのだった。


■筆者メッセージ
こんにちはHaruです。

昨日、久々に飛鳥ちゃん主演の『あの頃、君を追いかけた』を観ました。あの映画、本当好きなんですよね。内容だけじゃなくて、雰囲気も最高なんです。

私もあんな青春送ってみたかったな〜とか思ったり。ほんと、余韻が凄いんです。恋愛とか青春映画の中じゃダントツでおススメです。

みなさんも良かったら是非観てみてください。

ではこの辺で。
             Haru
Haru ( 2021/11/08(月) 13:46 )