第4章
第78話

賀喜を家に送り、無事帰宅した蒼。

玄関を開けるとリビングから何やら騒がしい声がする。
下を見てみると見たことのない靴がいくつかある。

蒼は不思議に思いながらもリビングに入る。

蓮加「あ、お兄ちゃんおかえり!」
蒼「ただいま・・・ってなんでいるの、君たち。」

そこには蓮加といつものメンバーがいた。

与田「蒼君おかえり!今みんなで勉強しとるんよ!」
蒼「いや、それは見たら分かるけどさ。何でうちなのかなって。」
梅澤「どこでしようかってなった時に蓮加にうちは?って言われて。私たちも久しく行ってなかったので来ちゃいました!」
蒼「なるほど。」
久保「もしかして、迷惑でしたか?」
蒼「いや、全然大丈夫。でも、もう外暗くなるよ?」
山下「大丈夫です。今日私たち泊まるので!」
蒼「え?」

突然のことにびっくりする蒼。

大園「そうなんです〜。ほら、お泊まりセットも持って来ました〜!」
蒼「マジか。勉強大丈夫なのか?」
梅澤「大丈夫です!ちゃんと寝るまでは勉強するので!」
蓮加「そうそう、だから心配しないでお兄ちゃん!」
蒼「ならいいけど、あんまり騒ぎすぎないようにな。」
「「はーい!」」

こういう時だけ返事の揃う6人。

与田「そういえば、蒼君今までどこ行ってたと?」
蒼「あぁ、図書館で勉強してた。」
与田「1人で?」
蒼「いや、かっきーと。」
「「えっ!?」」

驚く6人。

蓮加「か、かっきーと!?なんで!?」
蒼「いや、分からないとこあるから教えてくださいって連絡きたから、教えてあげてただけだけど。」
山下「2人きりで?本当に勉強だけですか〜?」
蒼「あ、当たり前でしょ。」
山下「ふ〜ん。まいっか、かっきーなら。真面目だし!」
与田「確かに。かっきーなら蒼君とは何もならなさそうです!」

その何かがあったんだけどな、と思いつつも口に出さない蒼。

大園「でもいいな〜、私もお兄さんに勉強教えてもらいた〜い。」
与田「私も!」
山下「私も。」
蒼「じゃあご飯の後でな。とりあえずお腹空いたから夕飯にしよう。」
与田「私もお腹空いた!」
蒼「じゃあ作るよ。適当にくつろいでて。」
梅澤「あ、私手伝います!」
蒼「ほんと?じゃあお願いしようかな。」
与田「じゃあ私も!」
蒼「そんないっぱいだとキッチン狭くなっちゃうでしょ。大人しくテレビ見てていいから。」
与田「ちぇー。まぁいいや!じゃあ待ってよーっと!」

梅澤とキッチンに向かう蒼。
冷蔵庫を開け材料を揃える。

梅澤「今日は何作るんですか?」
蒼「うーん、人数も多いし、カレーとか?」
梅澤「賛成です!じゃあ私付け合わせのポテトサラダ作ります!」
蒼「まじ?俺ポテトサラダめっちゃ好きなんだよね。」
梅澤「ほんとですか!私頑張りますね!」

テレビを見てくつろぐ5人をよそに料理を始める2人。
分担して調理を進める。

30分後、無事料理が完成する。
蒼「はい、できたよ。」

料理をテーブルに並べる。

久保「うわぁ、美味しそう!」
大園「ほんとだ〜、いい匂い〜!」
梅澤「ほらみんな、手洗ってからね!」
「「はーい。」」

みんなで手を洗いテーブルを囲む。
蒼「あれ、そう言えばみなみは?」
梅澤「私ですか?」
蒼「いや、そっちのみなみじゃなくて。」
蓮加「お姉ちゃんなら今日は堀先輩たちとご飯だって!そのまま泊まるって言ってた!」
蒼「そうなんだ、ならいっか。じゃあ皆さん、手を合わせて、いただきます。」
「「いただきます!」」

手を合わせ、一斉に食べ始める7人。

与田「ん〜、美味しい〜!」
久保「ほんとだ!すごく美味しい!」
山下「このポテトサラダも先輩が?」
梅澤「ポテトサラダは私!」
蓮加「梅が作ったの!?すごい美味しいよ!」
蒼「ほんと、めっちゃ美味しい。」
梅澤「良かった〜!嬉しいです〜!」
大園「このトマトも美味しいです〜!」
蒼「いや、そのトマト切っただけだから・・・。」
久保「桃子はほんとトマト好きだよね〜。」
大園「うん、大好き〜!」

そう言ってニコニコしながらトマトを頬張る大園。今まで蒼が見た中で一番の笑顔だった。

こうして7人は夕食を食べ進めながら会話を楽しむのであった。

■筆者メッセージ

Haru ( 2021/10/20(水) 20:44 )