第21話
僕たちは今、帰り道の電車に揺られている。
閉園時間ギリギリまで富士急を満喫した僕たちは終電ギリギリの時間の電車で帰路に着いた。
今乗っているのは快速電車で席が進行方向を向いているタイプの電車だ。
ぼくの隣には白石がいる。後ろの席には橋本と西野が。さらにその後ろには智大が1人で座っている。
1人代わろうか?と一応聞いてはみたが疲れたから1人がいいそうだ。
結局あの後、ええじゃないか、ドドンパ、FUJIYAMAと富士急で有名どころと言える絶叫系に乗せられた僕。
もしかしたら絶叫系を克服できるかな?と少し期待していたがそんなことはなく相変わらず苦手なまま今日を終えた。
窓側の席に座っている僕は眠気が来るまで外の景色でも見たいようと思い外を眺めていた。
不規則に揺れる車内。その揺れは僕に眠気を催した。
横にいる白石はもうすでに熟睡中だ。
「散々泣き叫んだからなぁ」
そうポツリと呟いた。
もうすぐ寝れそうだ。という時僕の肩にズシリとした感覚がした。
横を見てみると白石の頭が僕の肩に乗っている。
少し目を覚まし申し訳ないと思ったのか慌てて頭をあげる。その動作を数回繰り返していた。
頭が振り子のように僕の肩の上まで来ては上がるを繰り返している。
『疲れたんだろうな。』
少し迷ったが、白石の頭を左手で肩の上に乗せる。
安心したのか、僕の肩を枕に再びスヤスヤと眠りについた。
白石の髪の匂いが僕の鼻腔を刺激する。今日は彼女にドキドキさせられたばかりだ。
そんなドキドキも疲れには勝てなかったようでしばらくして僕も眠ってしまった。