第10話
「なぁちゃん!元気出すの!」
帰る準備を終えた白石が西野の肩を両手で掴み揺らす。
「そうだよ?なぁちゃん。まだまだ高校生始まったばっかりじゃん!」
橋本も励ます。
「いやぁ西野ぉ俺もめっちゃわかるわーバスケは楽しいし部活の奴らも面白いんだけど練習のモチベが最近下がってきてるのよねぇ」
智大も話に入る
「おいおい、お前もかよ!ちょっとみんな病みすぎじゃない??」
その場に流れる謎の沈黙
その沈黙を破ったのは白石だった。
「わかった!!じゃあみんな明後日の日曜日空いてる??」
「僕はバイト入れてなかったはず。」
「私も部活ないから空いてるよ。智大も空いてるよね?」
「おう空いてるぜ」
「なぁちゃんは?」
全員の視線が西野へ向く。
「うーん、一応部活はないんやけどさ。コンクール近いからもし今日と明日で終わらなかったら学校来てやらんとあかんかもしれん…」
「うーん、なぁちゃんさテーマパークとか好き?」
白石が問いかける
「え、うんめっちゃ好きやで?」
「実は私富士急ハイランドあのチケット5枚、知り合いからもらっててさ日曜日みんなで行かないかなと思ったんだけどなぁちゃんが部活あるならまた今度だねぇ。」
「いく!なな行きたい!絶対今日と明日で終わらせる!」
今まで聞いたことのない西野の声の大きさに僕も含めみんな目を丸くした。
「え、あ、無理しないでね?」
「しない!でも、してでも行きたい!まいやんありがとう!!」
「じゃあ、決まりだね!また時間とかLINEで決めよう!」
「じゃあ、なな急いで作品作ってくるわ!みんなバイバイ!」
見たことのない西野のテンションの上がりようにみんな驚いて沈黙が流れる。
「西野すごかったね…」
「そうだね…」
初めて高校の友達と遊びに行くことが決まった。楽しみだ。