第9話
高校入学と同時に起きた周りの変化についていくのに精一杯だったせいかあっという間に4月は過ぎ去りついに今日から5月を迎える。
クラスのみんなともかなり打ち解けることができてきている気がする。
結局、智大は持ち前の運動神経の良さと高身長なのを買われバスケットボール部へ入った。
白石は中学もやっていたというソフトボール部へ
橋本はプレイヤーになるかマネージャーをやるか迷いに迷った結果、激しい運動をすると腰を痛めてしまうという理由で智大のいる男子バスケットボール部にマネージャーとして入部した。
西野は常人のレベルではない絵心が美術部の顧問の先生の目に留まりそのまま入部することに
僕は入学前から決めていた通り部活には入らずバイトをすることになった。
5月最初の学校も6限まで終わり各自帰る準備をしている。
「はぁ。直樹ぃなな疲れたぁ」
月初めということで今日席替えをした。隣が白石から西野に変わった。
入学して1ヶ月が経ちそれぞれ呼び名が最初の時とはかなり変わった。
「疲れたなぁ。でも明日休みだよ!」
「それは直樹だけやろぉ。なな部活あるしー」
「あー、そっかぁ。ていうか、西野部活そんな好きじゃないの?」
「うーん、絵を描くのはななも好きやねんけど、なんか直樹たちみたいな感じで部活の子たちと仲良くなれないねんなぁ…」
「そうなんだ。でも、僕も智大がいなかったらコミュ障発動するからちょっとわかるなぁ」
「よなぁ。はぁー」
まだ入学して1ヶ月なのにこの会話。大丈夫だろうかと思う。
これがいわゆる5月病ってやつか?