02 Calm Down
鍵も無く自分の家にも拘わらず閉め出さられた俺は、元の色がわからないくらいに錆び付いたボロボロの階段に座り菜々へ怒りの電話を掛けた。
『お掛けになった番号は電げ・・・』
数コール待たされた末に聞かされたのは感情が一切込もってないアナウンスだ。
(なんでやねん!)
普段ならばなんとも思わないはずの音声に寝不足からか腹が立ち、つい階段の冊を殴ってしまった。
(痛っ〜)
手から全身へと伝達される痺れと赤錆の下から見えた鈍色の美しさによって少しだけ落ち着くことが出来た。
「・・・・・・うん、メシにしよか」
冷静さを取り戻した俺は、尻をはたいて立ち上がり、メールを打ち込みながら、まだまだ寒さ厳しい朝の街へと繰り出した。