第四章
01
 北嶺の火を吐く様な熱弁で上がりきった士気は一夜明けても下がることはなかった。
むしろ、本庁も所轄も関係なく聞いた者全ての心を焚き付ける大きな気炎となり、捜査を順調に進ませていた。

 しかし、そんな南たちの下に届いたある一通の郵便物により事件は風雲急を告げることとなる。








「郵便物?俺に?」

「はい。差出人は書いてませんけど……」

 一人の婦警が南宛の封筒を手渡すために刑事課にやって来た。

「ん〜、ありがとね」

 封筒を受け取った南に礼を言われ、彼女は持ち場に戻って行った。

「なんすかねそれ?」

「さぁな… 見ろよ」

 その封筒には差出人も無ければ、消印も押されてなかった。

「直接誰かが持って来たんだろうな」

「とりあえず、中空けましょうよ」

 東山に促され南はその怪しげな封筒の封を切った。

「…DVDと手紙っすね」

 中には何も書かれていない1枚のDVDと三つ折りにされた手紙だけが入っていた。

「……!東山すぐ本部行くぞ」

 同封されていた手紙に目を通した南は封筒を手にし刑事課を飛び出した。






■筆者メッセージ
短い上にあらすじみたいですね……

さらに今年中に終わらんし!

絹革音扇 ( 2013/12/27(金) 12:51 )