サイレントドール(黙る人形)
私、平手友梨奈はいま不思議な現象を目の当たりにしている。
その1、私の背後に立つように鏡に映っているのは帽子を深々と被った人形の姿である。
私は、幽霊かとも思ったが、この人形のような姿は私以外の家族には見えていない。
そして、私の動きを真似するあやつり人形のように動いている。
そして、その2
私は、家族があまり好きではないため家族と顔を合わせるの避けたかった。
その思いに反応したのか、私の背後に立つこの背後霊のような物体は帽子の中から光を放ったように見えた。だけなら思いすごしで終わらせれたかもしれない。
リビングでご飯の用意をしている母やテレビを見ているはずだった私の弟は時間が止まったようにその場で固まっていたのを見るまでは。
わたしも、不思議に思い立ち尽くしていると、脳内に直接話しかけてくる声が聞こえた。
「私は、あなたの能力を具現化した姿である。
そして、これはあなたの、そして私の能力である。
名前はまだない。主よ、名前をつけてくれないか。」
と、問いかける声を聞いたが私は信じる信じないは別として名前を付けることにはした。
サイレンドール 私にはピッタリの名前であると思う。
これから、起こりうるであろう出来事を今の私には分かるはずもないし、かんがえることもなかったが