第2章〜動揺〜
第18話
「もしもし?」
「なんかあった?英晞」
「いや、なんとなく暇だったし」

嘘だ。暇なんて理由で電話なんか掛けるはずがない。そんなことは純奈だってわかっていたはずだ。けれど純奈はあくまで普段通りだった。

「それでさー、岡田先生がハードルやったら思いっきり脛にぶつけて悶絶してたんだよね」」
「えー、何それウケる」
他愛もない話ばかりしていた。けど、こうして普段通りの馬鹿話なんて久しぶりに感じた。なんとなく元気になったというか、「ちゃんとしなきゃ」って思えた。

「ありがとう純奈」
「急にどうしたのさ、じゅんは何もしてないよ。いつも通り英晞と話をしただけ。」
「そっか、ありがとう」
「だから、礼なんか言われる筋合いないから!じゅんだって英晞とあまり話しできなくて寂しいんだよ…」
「純奈…」

純奈の名前を呟いてから少し間が空いた。
「話してもいいよ。辛いんでしょ?」
僕の中でつっかえていたものが外れた。右目から一筋、涙が流れ落ちると堰を切ったように涙が出てきた。

「僕の何が悪かったんだろうね…。優しいってなんなんだろうね…。」
ここ数日ずっと考えていたことが出てしまった。そのまま二人は黙ってしまった。

「…。じゅんはそれで何回も救われてきたよ。その英晞の優しさに」
「英晞は間違ってないよ。じゅんが証明する!じゅんは…そんな優しい英晞が好きなんだから」


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「この言葉でだいぶ救われたよ。これがなかったら、ずっと考え続けて病んじゃってたかもしれない。」
「確かに永遠の謎っていうか、一生かけても答えが見つからなそうな命題だな」
「命題なんて頭よさそうな言葉使って」
僕は笑った。最近数学で出てきた言葉だ。きっと覚えたての言葉を使いたくなったんだろう。

「んで?そっから純奈を意識するわけ?」
「まぁ、時系列的にはそうだけどまだまだかかるよ」
僕は手に持っていた空の缶を地面に置いてまた話し始める。

■筆者メッセージ
およそ半年ぶりでしょうか。ご無沙汰しておりますHikaです。この半年でまた色々とありましたね。

今回から、なんとなく気まぐれですが台本小説をやめてみました。読みづらいとかあれば教えていただきたいです。それ以外にも感想などあればよろしくお願いします。

先日のバスラで『坂道高校』のイヴさんと会って話す機会がありました。こういう風に物書き同士で話すのが楽しかったです。今度はもっとゆっくり話
してみたいですね。さて、その場でイヴさんに「更新しないんですか?楽しみにしてるんですけど…」と圧力をかけられたので更新したというわけです
が…。今後の更新については相変わらずの亀更新&気まぐれ更新ですがどうぞよろしくお願いします。

それと、気になる方はいないと思いますがプロフィールの所にあったTwitterのアカウント名が変わりましたので修正しておきました。ただの趣味垢ですがよろしければどうぞ。気まぐれで鍵になります。DMなどで言っていただければ通しますのでよろしくお願いします。
Hika ( 2019/03/17(日) 02:25 )