第14話
完全にやってしまった…。恋愛に疎い僕でもどんな状況なのかは容易に想像ついた。俗に言う三角関係だ。僕の頭の中はぐるぐると回っていた。返事をせずにいると純奈から再びLINEが。
『やっぱ気にしちゃうよね…。だからあまり言いたくなかった。英晞には日奈子と上手くいってほしかったし、なによりじゅんは一途な英晞が好きだから。じゅんなんか眼中にないくらいに日奈子一直線でいてよ。お願い。いつまでも一途な英晞でいてよ。』
僕はなんて返事したらいいのか皆目見当もつかなかった。それでもない頭を捻って絞り出す。
『なんか、ごめんね…?純奈が俺のこと好きなのは嬉しいよ。けどやっぱここまで来たら純奈に言われなくても日奈子一途でいるよ』
『待って、なんで振られたみたいになってんのさ(笑)結果は分かってたんだけど、凹むなぁ…。まぁ、そんなことよりも明日のことだよ!!ビシッとしなね?じゅんも応援してるから!』
それからこまごまとした明日の連絡を取り合ってから僕はベッドに入った。ぼぉっと天井を見上げ、それから目をつぶった。さっきの出来事がまだ尾を引いている。やはり色々と考えてしまう。忘れて明日へと気持ちをもっていかなきゃいけないのに、今日に置いてけぼりにしてしまいそうだ。もしかしたら僕は取り返しのつかないことをしてしまったのではないだろうか?そんな風に考え始めると眠れなくなってしまった。
眠れないまま、気づくと枕もとの時計は6時を指していた。このままでは何も生むこともなくうじうじと考え続けるだけだ。そう考えた僕はいつもよりも早くベッドを抜け出した。
こんなことで時間を取られている暇などない。勝負は今日なのだから。