高校2年生6月
第21話
そして週が明けた月曜日。今日から1回目の定期テストが始まる。試験は5教科10科目。1教科につき、2科目あるわけだ。国語だと、現代文と古典。社会科だと、現代社会と世界史などなど。この10科目を4日間でテストする。週の最後の金曜日はテスト休み。こんな感じで乃木高校の定期テストは行われる。

テスト初日は理系科目が多い。その次の日は文系科目。その後2日間は混合というような感じだ。

そうこうして、テストも全て終え、サッカー部の練習はインターハイ予選に向けてだんだんとピッチを上げていった。

テストの次の週。この週の授業のほとんどはテスト返却に当てられる。
設楽「とりあえず、世界史から返すぞ〜 クラス平均点は56.3点だ。最高点は97点。これが2人。テスト返してから発表するからな。ちなみに赤点は3人だ。」
設楽「じゃあ、出席番号順に来ーい」

賢吾「赤点じゃー!!」
俊「賢吾、惜しいじゃん あと2点だよ」
賢吾「そういう俊は何点だよ?」
俊「83点」
賢吾「化け物かよ」
俊「僕なんかより化け物いるでしょ?」
賢吾「そうだな、巧輝、お前何点?」
巧輝「96点」
奈々未「良かった!97が2人って言ってたから、巧輝かと思ったわ」
賢吾「安定の最高点かよ」
俊「じゃあ、もう1人って誰だろ?」
七瀬「ごめん、私……」
巧輝「すげーな、七瀬」
七瀬「そ、そんなことないよ ななみんに教えてもらったところがほとんどだったからだよ」
賢吾「奈々未大先生、次回は俺にレクチャーしてくれませんか?」
奈々未「やなこった」
設楽「ほら、うるせーぞ 次、地理のテスト返すぞ〜 平均点は62.7点だ。最高点は100点こっちは1人だけだ。赤点はいなかったぞ そんじゃ、さっきと同じようにもらいに来い」

賢吾「っしゃあ! 39点!!」
俊「それで喜べる賢吾が羨ましいよ」
賢吾「なんだよ、文句あんのか? 俊、何点だ?」
俊「91点」
賢吾「なんだよ、それ 巧輝、何点だ?」
巧輝「94点」
賢吾「おい、化け物は何点だ?」
奈々未「化け物って何よ失礼な 点数は98点よ」
俊「じゃあ、満点ってもしかして……」
そっと七瀬が手を挙げる。
七瀬「私……」
巧輝「七瀬、すごいなホントに」
七瀬「そ、そんなことないよ」

そうして、1日をかけて着々とテストは返されていった。
そして、発表された学年順位。1位はやはり奈々未だった。2位は七瀬。社会科で負けていた奈々未だが、現代文で巻き返し、総得点差3点で辛くも1位を死守していた。顔なじみの巧輝は学年7位。俊が学年15位。賢吾は……。ちなみに総得点は奈々未が1000点満点で930点だった。

そして、巧輝が密かに気にしていた1年生の学年順位。
『日芽香、頑張ってたからな……』
放課後になってから巧輝は1年生の学年順位を見に行った。もちろん、奈々未と七瀬も一緒に。
巧輝は下の方から見ていく。
『あ、雪弥は学年10位か…… あ、未央奈は6位か』
そして、ついに日芽香の名前を見つける。しかし、その上には【齋藤 飛鳥】の文字が。
巧輝「日芽香、頑張ってたのにな」
奈々未「そうだね ちょっと悔しいわね」
七瀬「ちょっと待って2人とも」
そう言って七瀬が指をさしたのは総得点。よく見てみると、飛鳥と日芽香の総得点は同じ。改めて日芽香の順位を見てみると、飛鳥と日芽香の同率首位だった。
巧輝「なんだよ、驚かせやがって」
奈々未「ホントね すごく悔しかったのに この気持ちを返せ!」
七瀬「ななみん、誰に返してもらうの? それより、ひめたんかなり頑張ったみたいね」
巧輝「そうだなぁ、何かプレゼントするって約束したからな…… 何がいいかな?」
奈々未「それは、巧輝が自分で考えなさいよ」
巧輝「そうだな」

それだけ巧輝は言うと、先に部活へ向かう。

巧輝の姿が見えなくなってから、
奈々未「なぁちゃん、巧輝にはいつ告るつもり?」
七瀬「うん、考え中なんだけどインターハイの予選が終わってからかなぁ その方が巧輝君も落ち着いて聞いてくれるだろうし」
奈々未「そうね、それがいいと思う。 じゃあ、それまでアピールあるのみ!」
七瀬「うん!頑張る」
奈々未「じゃあ部活行くから、また明日ね、なぁちゃん」
七瀬「うん、また明日ななみん」

着々と近づくインターハイ予選は来週に迫っていた………

■筆者メッセージ
テストも終わり、近づくインターハイ予選。そして、加速する七瀬の恋。
どうか、楽しみにしててくれればありがたいです。
そして、閲覧数が3000を超えました!本当にありがとうございます。これからも精進していきます!
Hika ( 2016/02/10(水) 23:11 )