高校2年生6月
第20話
七瀬の部屋のドアが遠慮がちにノックされる。
七瀬母「みんな、お昼ごはんできたからどうぞ食べて?お口に合うか心配だけど」
七瀬「じゃあ、1回休憩してお昼食べようか」
七瀬がそう言うと4人は1階に降りる。

「いただきます!」
お昼のメニューは中華がメインだった。食卓に並んだのはチャーハンや麻婆豆腐などなど。
巧輝「すごく美味しいです!」
七瀬母「あら、本当? お口に合って何よりだわ」
奈々未「ホントに美味しいですね」
日芽香「久しぶりに美味しい中華食べました」
七瀬母「あら、みんなありがとう」
そう言って七瀬母は2階に上がり、自分の部屋へと入っていった。

巧輝「じゃあ、この後は少し休憩してからまた勉強だな」
七瀬「そうだね」
奈々未「日芽香は今のところ大丈夫?」
日芽香「大丈夫です、ありがとうございます」
お昼を食べながらみんなで雑談を始める。
日芽香「七瀬先輩のバレッタ、カワイイですね」
七瀬「これ?ありがとう これはね、巧輝君がプレゼントしてくれたの」
奈々未「私も一緒にもらったのよ 色違いのバレッタ」
日芽香「いいなぁ〜 巧輝先輩からプレゼントなんて…」
巧輝「じゃあ、日芽香が学年トップとったら何かプレゼントしてやるよ」
日芽香「ホントですか? 俄然やる気が出てきました!」
七瀬「やっぱり巧輝君、優しいね〜」
奈々未「もう、優しいっていうより、女誑し?」
巧輝「そんなつもりねぇーよ」
日芽香「そうなんですか?巧輝先輩」
巧輝「そんなことは決してない」
七瀬「そんな……巧輝君が誑しだったなんて……」
巧輝「だから違うって!」
巧輝は女子3人の冷たい目線に射抜かれる。
奈々未「……なんてね?」
巧輝「知ってたよ そういうノリだろ?」
日芽香「なんだ、先輩つまんないのー」
七瀬「もうちょっといい反応期待してたのになぁ〜」
巧輝「お前らなぁ〜!」
そう言って巧輝は大きなため息をつく。
七瀬「巧輝君、ため息つくと幸せが逃げていくんだって」
巧輝「それ、この間も聞いたような気がするわ……」
巧輝にとって楽しい時間ではあるが、同時に精神的にも疲れる時間であった。

巧輝「よし、休憩もしたことだし勉強再開するか!」
奈々未「そうね」
七瀬「頑張らなきゃ」
日芽香「プレゼント……」
1人だけ違うことを言っていた気がするが、そこには誰も触れなかった。

そうして、太陽も傾きそろそろ日没。
巧輝「さて、そろそろ帰るとするか」
日芽香「そうですね、けっこう頑張って疲れましたし」
七瀬「ひめたん、すごく頑張ってたね」
奈々未「あー疲れたー」
奈々未は七瀬の労いの言葉をもらうためにアピールをする。
七瀬「ななみんも、お疲れ様」
奈々未はその言葉を聞くと、とても嬉しそうだった。
奈々未「なぁちゃん、ありがとう」
巧輝「ほら、帰るぞ」
七瀬「みんな、来てくれてありがとうね」
奈々未「いいのよ、勉強会だし」
日芽香「私こそ、誘ってもらってありがとうございます」
巧輝「テスト、期待してるぞ」
日芽香「プレッシャーかけないでくださいよー」
七瀬「じゃあ、週明け学校でね」
七瀬と七瀬母は一緒に3人を見送る。
巧輝「お昼ごはん、美味しかったです ごちそうさまでした」
そう巧輝が伝える。
七瀬母「また来てね?」
奈々未「はい!」
巧輝「それじゃあ、おじゃましました」
奈々未・日芽香「おじゃましました」
七瀬「じゃあね バイバイ!」
七瀬は3人が見えなくなるまで手を振っていた。巧輝と奈々未で日芽香を送っていく。もちろん、巧輝は自転車で2人の荷物をカゴに入れて。

■筆者メッセージ
今回は少し短めですね。あと1話でテストは終わる予定です。そのあとはいよいよインハイ予選が始まります。でも、それだけが見どころではありませんよ……?
Hika ( 2016/02/10(水) 22:31 )