01
ある日の朝の事、生徒指導の先生が校門前で校則のチェックをしていた。
「コラ!齋藤さん!スカート短いぞ!」
「みんなと同じですよ」
「まったく…⁉」
なんと目の前には、金髪のかとしが。
「加藤さん!金髪とは、校則違反だぞ!」
「my name is Shiho Kato」
「あなた、外国人みたいな事して!すぐに黒に染めなさい!」
「いやだもーん!」
「ちょ、加藤さん!待ちなさい!」
かとしは走り出した。
「ハァハァ、もう追ってこないでしょ」
かとしは教室に入った。
「おはよう!」
「かとし、どうしたの?」
高本彩花がかとしに聞く。
「なんかイメチェン」
「カッコいい!」
「そう?」
かとしは席に着く。
一方、職員室では
「えーっと、2年の課題プリントと1年の小テストを…」
「小坂先生!!」
「どうしたんですか?」
「おたくのクラスの加藤史帆!」
「加藤がどうかしたんですか?」
「金髪で登校して来たんですよ!」
「金髪で⁉」
周りの先生が一気に振り向く。
「どうしたんですか?」
佐々木校長がやって来た。
「佐々木校長!2年3組の加藤史帆が金髪で登校して来たんですよ!」
「金髪で⁉小坂先生、すぐにやめさせてください!そうしないと本校の名前に傷が付く事になります!」
「わかりました。加藤と話しあってみます」
俺は教室に入る。やっぱり金髪は目立つ。
「はーい席に着け!先生金髪になった奴がいるって聞いたけど、かとしだったのか。中々似合ってるじゃないか」
「本当⁉」
「本当だぞ。先生23年間生きてきて一度も嘘ついたことないぞ」
「嘘だぁ」
「はい、おしゃべりはそこまで。出欠取るぞ。」
どうやらいつも通りのようだ。俺は出欠を取って今日の予定を連絡した。
「はい、今日はこんな感じです。あとかとし、昼休み話があるから保健室にきなさい。はい号令」
「起立、礼、ありがとうございました」
俺は教室を出て職員室に向かった。
職員室で自分のデスクに座ると、佐々木校長がやってきた。
「小坂先生、加藤さんどうでした?」
「いつもと変わらない感じでしたよ。昼休み話をする予定ですが」
「一刻も早くやめさせてくださいね」
「はい、わかりました」
俺は保健室に向かった。
「失礼します。すみません宮田先生、昼休み保健室借ります」
「いいですけど、何でですか?」
「かとしの事で」
「史帆ちゃんね。どうぞ使ってください。私も参加していいですか?」
「いいですよ。女性の意見も聞きたいですし」
「そうですか」
「じゃあ失礼します」
俺は保健室を出て職員室に戻る。
そして昼休み
「失礼します」
「来たかかとし。まあ座れや」
かとしは俺の前に座り、宮田先生は俺の隣に座る。
「なぁ何で金髪にしたんだ?」
「イメチェン」
「へえ、なぜ金髪なんだ?メイクの方法を変えるとかあるだろう」
「そんなんじゃなくて、もっとバーンと変えたかったの!」
「ふーん、宮田先生なんかありますか?」
「そうね、史帆ちゃんはなぜイメチェンしようと思ったの?」
「聞いてよ先生、昨日さ外国の映画やってたじゃん。その映画に出てくる女優さんが金髪ですごくかっこよかったから、金髪にしたの。」
「なるほどね。小坂先生どうします?」
「うーん、思春期はこういう事したがるからかとし、気が済むまでやってみろ」
「はい!先生戻っていいですか?」
「おう戻っていいぞ」
職員室に戻り佐々木校長にこの事を話す。
「何言ってるんですか!気が済むまでやってみろって!本校の名前に傷をつけるつもりですか?」
「いえ、そんな事はめっそうもございません。ただ思春期はこういう事をしたがりますし、飽きやすい年頃ですから。一週間もすればやめますよ」
「そうですか、我々も生徒に下手に口出しすると何しれだすかわかりませんからね。しばらく様子見で行きましょうか」
「ありがとうございます」
俺はこれで一件落着だと思った。しかし次の日
「コラ!潮さん、スカート短いんじゃないか?」
「いつも通りです」
「まったく…⁉⁉⁉」
なんと今度はかとしとおたけと齋藤京子が金髪にしてやってきた。
もう生徒指導の先生はびっくりして言葉が出なかった。
職員室では、
「湯水のごとく金使う〜♪湯水のごとく金使う〜♪」
「小坂先生なんですか?その歌」
「これですか高瀬先生。これオードリーがラジオでカッコ悪い振られ方を湯水のごとく金使うに置き換えて歌ってたんですよ」
「へえ〜」
「小坂先生!!」
「なんですか?」
「3人!」
「3人?」
「今度は3人ですよ!加藤史帆に加えて高本彩花と齋藤京子が金髪できたんですよ!」
「ハァ〜⁉」
「なんですか?今度は」
「佐々木校長聞いてくださいよ。今度は加藤史帆だけじゃなくて高本彩花と齋藤京子が金髪で登校したんですよ!」
「まぁ!大変ですよ小坂先生!今すぐやめさせてください!」
「はい!」
なんでこうなるかな〜