01
俺は小坂裕翔。春から東京の高校で教員として勤務する。担当教科は社会。
「お兄ちゃん〜!」
彼女は小坂菜緒、俺のかわいい妹だ。いわゆるお兄ちゃんっ子で、春から高校生だ。地元大阪の高校ではなく、俺の勤務する高校に通うことになったのだ。
そして今、新大阪駅にいる。これから新幹線に乗って東京に向かうのだ。
「裕翔、菜緒、ちゃんとご飯食べるのよ。」
「わかったって母さん」
「東京に着いたら、電話しなさい」
「わかったよ、父さん。そろそろ出発だから」
「お父さん、お母さん、行ってくるね!」
「頑張れよ!」
新幹線のドアが閉まって、発車した。二人は新幹線に向かって手を振り続けた。
「お兄ちゃん!東京に着いたよ!」
俺は寝てしまった。気づけば東京に着いていた。荷物を持って新幹線から出た。
改札を出ると俺達はまず学校に向かう事にした。俺は学校のパンフレットを見た。
「え〜っと、北千住駅な」
俺は乗り換えアプリで検索した。
「常磐線に乗ればいいのか。菜緒行くぞ」
「は〜い」
菜緒は手を挙げて返事をした。
ホームに入ると電車が来て乗り込んだ。
電車に乗って北千住駅に着いた。地図を見ながら学校に向かう。
「やっと着いた」
日向坂学園と書かれたプレートがある。
校門を抜けるとそこには部活中の生徒がいた。春休みとはいえ練習があるようだ。生徒たちを横目に校舎に向かう。
校舎に入ると職員室に向かった。
「失礼します」
ドアを開けると事務員さんがやってきて事情を話した。すると校長室に通してくれた。
校長室に入ると校長先生が迎えてくれた。
「私が校長の佐々木久美といいます。」
「小坂裕翔です。よろしくお願いします。そして妹の」
「小坂菜緒です。よろしくお願いします」
「よろしく。小坂先生、わざわざ大阪からありがとうございます。先生には1年と2年の社会をお願いします。あと2年3組の担任もお願いします。」
「はい」
「あともう一人、新任の先生がいらっしゃるのですが、今日はご都合で来られないようです。」
「そうですか。」
「小坂さん、あなたちょっと外に出てくれないかしら」
「はい、失礼しました」
「素敵な妹さんですね。小坂先生、あなたにお願いしたい事が」
「なんでしょうか?」
「あなたも寮に入るわよね」
「はい」
この学校は寮がある。ほとんどの生徒や教員は寮に入っている。
「実は小坂先生に寮の管理人をしてもらいたいの」
「えっ、僕がですか?」
「ええ、もちろん給料は色つけとくわよ。さらに、」
校長先生はささやき声で言い出した
「生徒と体の関係をもっても、目を瞑ってあげるわ」
俺はびっくりした。先生と生徒が体の関係になってもいいと。俺は恥ずかしながらもOKしてしまった。
俺は説明を受けて、俺と菜緒の部屋の鍵をもらい校長室を出た。
これから大変な日々になりそうだ。