曲がり角を曲がれば。







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第4章
02 またやってきた夏。
「今日、花火大会あるんすね」

掲示板に貼られていたチラシ。
数百発上がるという小さい花火大会。
ちょっと行ってみたいとも思う。


「もう8月っすね」


今日は8月1日。
夏本番って感じの空。
それと疲れきったお嬢様。


「どうしたんすか?」


「あっつい。こんなに暑いの」


「そりゃ、夏だし」


「あなたの力で冬にして」


俺にそんな権力ありません。
神様に頼んでください。
たぶん却下だろーけど。


「あれ?幸平」


目の前から聞き覚えのある声。
トレーニングウェア姿の小百合。


「こんな所で会うなんて」


「あ、あぁ。おはよう」


「仕事は?」


「今日は休み。先週休みだった先輩の次が俺だったからね。今日は何もなし」


「いいなぁ。仕事変わって」


「変われるもんならね」


小百合が掲示板に近づく。
花火大会のチラシを見つける。


「もうこんな季節なんだ」


「夏だから。もういい加減」


「花火大会行きたいなぁ。でも仕事だし、忙しいから行けないんだよね。会社の窓から花火見よっかな」


「じゃあね、幸平」


「はいよ。仕事頑張って」


朝7時だってのにクソ暑い。
気持ち的にはアガるけどだからといって暑いのは嫌いな俺。
お嬢様は夏はどうなんだろう。


「私は夏が好きよ」


「好きですけど、暑いじゃないすか。それがマジで嫌です。どちらかと言ったら夏よりも春が好きです」


「暑さぐらい我慢しなさい」


いやいや。
冬にしてとか俺に言ってたのはどこの誰なんでしょうか。あなたですよ。
早く夏休みなんねぇかな。
愛知に帰って、海行って、友達と飲みに行って、夏っぽいこと沢山したい。


「じゃあ、帰りますか」


「そうね。朝ごはん食べなきゃ」


世間は夏休み。
社会人は普通に働く日。
学生は部活か勉強をしてる。


高校の頃に戻りてぇ。
俺を慕ってた後輩、仲良くしてくれた同級生、優しかった先輩、俺が出会ったたくさんの人に会いたくなった。


みんな変わっててもいい。
どのみちに進んでたっていい。
言えなかったあの言葉。
「ありがとう」とかの言葉。


「なにしてるのよ」


またぼーっとしてた。
考え事ぐらいさせてくれ。


「早く帰りますか」


ケータイに保存してある写真。
卒業式の時の集合写真。


いつ見てもみんな笑ってる。
あの時のみんなの笑顔が俺の宝物。

■筆者メッセージ
テスト前なんで更新遅れます。

めちゃくちゃ難しいんすよ。
身体の筋肉とか神経の働きとか覚えることたくさんです。
とりあえず頑張ります。

感想お待ちしております。
ガブリュー ( 2016/07/22(金) 00:06 )