02
いつものカフェに到着すると、奥の席で金村が一人メロンソーダが入ったグラスにストローを刺し、それを口にしているのが目に入った。
いつものウエイトレスにアイスカフェラテを注文し、篠田は彼女の前の席に腰を下ろした。
「ごめん、待たせた?」
「ううん、大丈夫」
彼女のグラスを見ると、量が少ししか減っていなかったため、彼女が言っていることは本当なのだということがすぐに分かった。
頼んでいたカフェラテが自分の手元に届いてから、篠田は彼女に何かあったのかと尋ねた。
「ううん、特に何かあったってわけじゃないんだけど…」
「小坂さんと喧嘩でもした?」
「違うよ。菜緒と喧嘩なんてしたことないし」
「じゃあ何で…?」
金村はゆっくりとメロンソーダを飲むと、少し何かを考えたような表情から、にこやかな笑顔に切り替えて見つめてきた。
「とにかく今日は私に付き合ってよ。最近ずっと受験勉強ばっかりで窮屈だったし」
「別にそれは構わないけど…」
そう決まると、二人は互いが注文した商品を飲み切るのをお互いに待ってから、共にカフェを後にした。