第六章『確証』
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 いつものカフェに到着すると、奥の席で金村が一人メロンソーダが入ったグラスにストローを刺し、それを口にしているのが目に入った。

 いつものウエイトレスにアイスカフェラテを注文し、篠田は彼女の前の席に腰を下ろした。


「ごめん、待たせた?」

「ううん、大丈夫」


 彼女のグラスを見ると、量が少ししか減っていなかったため、彼女が言っていることは本当なのだということがすぐに分かった。

 頼んでいたカフェラテが自分の手元に届いてから、篠田は彼女に何かあったのかと尋ねた。


「ううん、特に何かあったってわけじゃないんだけど…」

「小坂さんと喧嘩でもした?」

「違うよ。菜緒と喧嘩なんてしたことないし」

「じゃあ何で…?」


 金村はゆっくりとメロンソーダを飲むと、少し何かを考えたような表情から、にこやかな笑顔に切り替えて見つめてきた。


「とにかく今日は私に付き合ってよ。最近ずっと受験勉強ばっかりで窮屈だったし」

「別にそれは構わないけど…」


 そう決まると、二人は互いが注文した商品を飲み切るのをお互いに待ってから、共にカフェを後にした。

黒瀬リュウ ( 2021/11/01(月) 17:00 )